ビットコイン(写真=Shutterstock)

ビットコインの相対的な弱さが鮮明になっている。直近90日でビットコインは20%下落し、同期間に5%上昇したS&P500を大きく下回った。株式主導の資金循環が続く一方、7月にはビットコインとイーサリアムが株式市場と異なる値動きを示し、相関の低下も確認された。

ブロックチェーン関連メディアのCryptopolitanが11日(現地時間)に報じたところによると、オンチェーン分析企業Glassnodeは、ビットコインが主要株価指数に対する相対的な強さを取り戻すまでは、当面は株主導の相場が続くとの見方を示した。

年初来のパフォーマンスをみると、暗号資産は主要資産クラスの中で出遅れが目立つ。ビットコインは1月以降で35%下落し、アルトコインは57%下落した。

一方で、金は60%、銅は66%、銀は107%上昇した。NASDAQとRussell 2000もそれぞれ38%、31%上昇しており、暗号資産との差は広がっている。

Glassnodeは11日の投稿でも、足元7日間の値動きについて同様の傾向が続いたと指摘した。ビットコインが株価指数に対する相対的な強さを回復しない限り、株主導の地合いは続くとみている。

また、NASDAQの戻りが他の主要指数に比べて鈍い点についても、相場環境の弱さを示すシグナルだと分析した。

もっとも、7月のビットコインとイーサリアムは株式市場と異なる動きをみせた。7月はAI・半導体関連株が大きく調整し、半導体ETFは20%超下落。NASDAQ100もほぼ7%下げた。

それでもビットコインは9%、イーサリアムは20%上昇し、株式市場全体とは逆方向の値動きとなった。

こうした変化は、ビットコインとハイテク株の連動性低下を示すデータにも表れている。TradingViewのデータでは、5月時点でビットコインのNASDAQに対する90日相関係数は0.89だった。

これに対し、K33 Researchによると、7月28日時点の30日相関係数は0.43まで低下した。株式とのデカップリングが進む一方、資産パフォーマンス自体ではなお株式に見劣りしていることが改めて浮き彫りになった。

BlackRockはこのデカップリングを前向きに評価している。同社のデジタル資産責任者ロバート・ミチニク氏は10日、ビットコインが株式と切り離されて動くのは、分散投資手段として捉える投資家にとって健全なシグナルだと述べた。

同氏は7月の値動きを暗号資産市場の転換点と位置付け、この1カ月で投資家心理は大きくはないものの緩やかに改善したと説明した。

資金フローにも持ち直しの兆しが出ている。SoSoValueによると、8月7日時点でBlackRockのiShares Bitcoin Trust「IBIT」の純資産は485億1000万ドル(約7兆2765億円)。8月の流入額は6億9364万ドル(約1040億円)だった。

米国の現物ビットコインETF全体では、8月7日で終わる週の純流入額が8億5350万ドル(約1280億円)となり、4月中旬以降で最も強い週間実績となった。このうちIBITが約6億9300万ドル(約1040億円)を占めた。

市場の次の焦点は、ビットコインが株式との相関低下を維持しながら、相対パフォーマンスの改善につなげられるかどうかだ。株式との分離が続いても、主要指数に対する弱さを脱しきれなければ、資金の中心は当面なお株式市場にとどまる可能性が高い。

一方で、ETFへの資金流入と投資家心理の改善が続けば、足元のデカップリングが価格反発の土台になるかも注目される。

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