写真=Ice UniverseのX投稿より

Appleが、iPhone発売20周年を意識した来年のiPhone Proモデルの再設計計画を維持していると、Bloombergが報じた。これと同日に、歩留まりの問題から全面ガラス仕様の計画が中止されたとの見方も浮上しており、サプライチェーンを巡る評価が分かれている。

9to5Macが8月11日付で伝えたところによると、Bloombergは、Appleの20周年モデルに向けたデザイン刷新のロードマップは変わっていないと報道した。焦点となっているのは、ガラスの存在感を強めた新たな外装デザインだ。

Bloombergによれば、来年のiPhone Proモデルでは、ガラス素材を前面に打ち出した新しい筐体デザインが採用される可能性がある。社内では「V73」「V74」と呼ばれており、前面と背面にガラスを使い、側面は曲面でつなぎつつ、中央に金属バンドを配置する構造になるという。

これに対し、Jefferiesのアナリストであるエディソン・リーは同日、サプライチェーン調査を基に、20周年モデルとして検討されていた全面ガラス仕様のiPhone計画は、生産歩留まりの問題で取りやめになったと指摘した。

エディソン・リーはこれを大きな制約要因と位置付け、メモリーコストの上昇局面でAppleが高価格帯のiPhoneを投入しようとする戦略にも重荷になり得ると分析した。計画見直しが現実になれば、Proモデルの平均販売価格の引き上げや採算性の改善にも影響する可能性があるとした。

Jefferiesはこれを受け、Apple株の投資判断を引き下げ、目標株価を285.56ドルから263.66ドルへ下方修正した。Jefferiesは7月31日にも、Appleの2026会計年度第3四半期決算と第4四半期ガイダンスを踏まえ、目標株価を308.92ドルから引き下げている。

一方、Bloombergは、Appleの製品ロードマップ自体には変更がないと伝えた。当初案からの修正はあるものの、来年のProモデルを軸とした再設計作業そのものは継続しているという。

今後の焦点は、量産段階でガラス中心のデザインをどこまで実現できるかにある。現時点で伝えられている内容を見る限り、市場が当初期待した完全一体型の全面ガラスというより、前後ガラスに曲面側面、中央の金属フレームを組み合わせた仕様に落ち着く可能性がある。

つまり、Appleは設計の細部を調整しながらも、20周年モデルを象徴する外観上の変化は維持しようとしているとみられる。

市場の関心は主に2点だ。サプライチェーン上の歩留まり問題が最終仕様にどこまで影響するのか。もう1つは、新デザインを高価格帯戦略とどう結び付けるのかだ。

エディソン・リーが指摘した平均販売価格と収益性の課題については、来年のProラインアップ構成や価格設定の中で改めて見極められることになりそうだ。

Appleはこのデザイン計画について公式な見解を示していない。来年のProモデルがどのような形で投入されるのかは、正式発表を待つ必要がある。

もっとも、現時点での相反する報道を総合すると、社内ロードマップは維持したまま、具体的な実装方法のみが調整されている可能性が高い。

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