トランプ政権は、米上院の8月休会で日程が後ずれした後も、デジタル資産の市場構造を定める「CLARITY法案」を9月に処理する方針を維持している。ホワイトハウスは民主党との協議を継続する一方、これ以上の長期化は容認しない構えだ。
Cointelegraphが11日報じたところによると、ホワイトハウスで暗号資産政策を統括する関係者は、上院での採決が8月休会後に持ち越されたものの、法案成立に向けた交渉を続ける考えを示した。
大統領デジタル資産諮問委員会の執行理事を務めるパトリック・ウィット氏は同日、Xへの投稿で、政権として9月の採決直前まで民主党との協議を続けると説明した。その上で、さらなる先延ばしは受け入れられないとの認識も示した。
上院では9月中旬に、同法案を最終採決に進めるための終結投票が行われる見通しだ。可決には60票が必要となる。上院が8月休会前に審議を前に進めなかったため、採決日程は約1カ月先送りされた。
CLARITY法案は、デジタル資産に関する連邦レベルの市場構造を定める法案だ。暗号資産のトークンを証券と商品のいずれとして扱うかの基準を整備し、取引プラットフォーム規制の枠組みも盛り込む。業界では、米国のデジタル資産規制の大枠を形作る法案と受け止められている。
一方、9月の採決までにはなお調整課題が残る。民主党は、トランプ大統領と関係する暗号資産を巡る利害関係を踏まえ、より厳格な倫理規定を求めているが、上院ではなお打開策を見いだせていない。この問題は、法案審議における政治的な争点となっている。
銀行業界も一部条文の修正を求めている。特に、企業によるステーブルコイン保有者への報酬支払いを可能にしかねない規定を問題視している。こうした条項が維持されれば、ステーブルコインの事業モデルと金融業界の利害が衝突しかねないとの懸念が出ている。
ホワイトハウスは交渉の余地を残しつつも、法案処理の時期は9月に据え置く姿勢を明確にしている。上院採決までの間に、民主党の倫理規定要求と銀行業界の制度修正要求をどこまで調整できるかが、法案の行方を左右する焦点になりそうだ。
9月中旬に予定される終結投票は、CLARITY法案が最終採決に進めるかどうかを占う最初の関門となる。デジタル資産の証券・商品区分と取引プラットフォーム規制を単一法案で整理する内容だけに、上院の判断は今後の米国の暗号資産規制論議にも影響を与える可能性が高い。