XRP Ledger(XRPL、写真=Shutterstock)

Rippleのドル連動ステーブルコイン「RLUSD」が登場しても、XRP Ledger(XRPL)におけるXRPの役割は置き換えられない――。そんな見方が市場関係者の間で示されている。

ブロックチェーンメディアのThe Crypto Basicによると、Digital Ascension Group会長で暗号資産評論家のジェイク・クレイバー氏は10日(現地時間)、Xへの投稿で、RLUSDとXRPは同じネットワーク上で使われるものの、担う役割は明確に異なると指摘した。

論点となっているのは、XRPL上でどの資産が取引のブリッジを担うかという点だ。一部では、RLUSDがドル建てステーブルコインであることから、XRPの必要性は薄れるとの見方もある。これに対しクレイバー氏は、両者は用途が異なると説明。XRPについては、直接的な流動性が乏しい2つの資産をつなぐ「中央ハブ」のような役割を果たすとした。

同氏は、トークン化資産の種類が増えるほど、この違いはより重要になるとみている。数百の資産をそれぞれ直接接続しようとすれば、資産ごとに個別の流動性を用意する必要があり、必要な流動性プールの数が急増するためだ。資産が100種類あれば、すべてを個別につなぐには4950のプールが必要になるが、中央ハブが1つあれば接続は100で済むとし、XRPLではXRPがその役割を担うと主張した。

具体例として同氏が挙げたのが、トークン化マネーマーケットファンドと円建てステーブルコインの交換だ。この場合、XRPが両資産をつなぐことで、利用者は中間でXRPが使われたことを意識することなく、必要な流動性を得て取引を成立させられるという。

一方、RLUSDは性格が異なる。クレイバー氏は、RLUSDを1米ドルの価値維持を目的に設計された「デジタルドル」と位置付けた。発行体が保有する準備資産を裏付けに運用され、通常の銀行営業時間外でも迅速な決済に利用できる点を強みとして挙げている。

ただ、すべてのトークン化資産取引がドルを経由するわけではないとも指摘した。トークン化債券やコモディティ、あるいはドル以外の2資産間の取引では、RLUSDがブリッジ資産として最適でない場合があるという。

両者の違いは発行構造にもある。RLUSDは発行体の準備金や銀行との関係、規制要件に依存する。これに対し、XRPはXRPLのネイティブ資産で、特定企業が発行した資産ではない。このため、個々のXRPを企業側が凍結したり制限したりはできず、取引当事者同士に面識や信頼関係がない環境でも、中立的な資産として機能し得るとした。

クレイバー氏は、RLUSDとXRPの関係を競合ではなく補完と整理する。ドル建て決済が求められる取引ではRLUSDが使われる一方、直接の流動性が不足する資産同士の交換では、XRPがブリッジ資産として機能するというわけだ。RLUSDは「デジタルドル」、XRPは異なる資産を結ぶ「ブリッジ」という位置付けになる。

こうした役割分担は、XRPL上でトークン化資産が増えるほど重要性を増す可能性がある。資産の種類や取引ペアが増えれば、流動性は複数の市場に分散しやすくなるためだ。ドル建ての決済手段と、ネットワーク内で機能する中立的なブリッジ資産を分けて捉える視点は、XRPLの今後の流動性設計や資産接続の仕組みを理解するうえで重要な手掛かりになりそうだ。

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