NHN本社「プレイミュージアム」 写真=NHN

NHNは8月11日、AI GPU事業を軸にデータセンターと最新GPU基盤の拡充を進める方針を示した。来年までにAIデータセンター30メガワット(MW)を追加で確保し、既存拠点にはB300以上のGPUを増設する。海外顧客の獲得に加え、日本でのデータセンター確保も進め、AIインフラ事業を新たな成長の柱に育てる考えだ。

同社はこれまで進めてきた事業効率化とコスト統制によって収益基盤を整備した。今後はAIインフラ投資を本格化させる一方、ゲーム事業は日本市場を中心に新作開発を進める。決済事業では既存のPG加盟店ネットワークを基盤に、ステーブルコイン決済や精算インフラの高度化を図る。

NHNが同日発表した2026年4~6月期の連結業績は、売上高が7579億ウォン、営業利益が579億ウォンだった。前年同期比では売上高が25.3%増、営業利益が164.1%増となり、いずれも四半期ベースで過去最高を更新した。

事業別売上高は、ゲームが1396億ウォン、決済が3940億ウォン、技術が1598億ウォン。前年同期比ではそれぞれ21.5%増、27.3%増、52.9%増だった。

チョン・ウジン代表は決算説明会で、「ここ数年進めてきた経営効率化とコスト統制の成果は、昨年10~12月期から業績に反映され始めた。今年はその基盤の上で主要事業の成果が本格的に表れる局面に入った」と説明した。その上で「今回の第2四半期は、その成果が利益として確認された最初の四半期だ」と強調した。

アン・ヒョンシク最高財務責任者(CFO)も、「特定事業や季節要因に依存した一時的な改善ではなく、主要事業全体で利益を生み出せる事業構造が整った」と評価した。

◆AI GPU需要を取り込み、海外展開も加速

業績をけん引したのは、NHN CloudのAI GPU事業だ。3月末に稼働を開始したソウル・ヤンピョンリージョンで、NVIDIA B200ベースのGPU as a Service(GPUaaS)の提供が第2四半期から本格化し、NHN Cloudの売上高は前年同期比85.3%増となった。

ヤンピョンリージョンの残余枠についても、長期契約に向けた協議が進んでいる。チョン代表は「新規の長期契約を協議しており、売り上げの見通しはさらに高まっている。来年以降は当初想定を上回る売り上げ推移を見込んでいる」と述べた。

一方、アンCFOは「契約がすべて完了した段階ではない」とした上で、「契約締結の時期や期間によっては営業利益が変動する可能性がある」と説明した。

需要拡大に対応するため、NHN Cloudは来年までに少なくとも30MW規模のAIデータセンターを追加で確保する。既存リージョンにはB300以上の最新GPUを増設する計画だ。

キム・ドンフンNHN Cloud代表は、「20MWは賃借方式で、10MWは自社センターで準備しており、来年下半期の稼働を目標としている。総量は現在のヤンピョン、パンギョ、クァンジュの各リージョンを合計した規模と同程度になる」と説明した。

事業領域は国内にとどまらず、海外にも広げる。キム代表は「GPU事業は国内よりも海外市場を主な対象として準備している。足元では海外企業の需要が増えており、一部顧客とは近く契約を締結する見通しだ」と述べた。さらに「日本のデータセンターも確保し、グローバル顧客向けサービスの拡大を進めている」とした。

5月に公開したAIフルスタックブランド「FactoryX」については、「単なるGPU供給事業者との差別化につながる」と説明した。GPUインフラの確保と運用最適化から、AIエージェントの実行環境までを提供し、企業のAI移行を支援する事業者へと領域を広げる構想だ。

NHN Cloudの新規株式公開(IPO)の時期については、なお流動的だ。アンCFOは「財務的投資家(FI)のIMMとは継続的に協議しているが、株主同意が必要であり、現時点で断定は難しい。GPU事業がさらに本格化し、十分な営業利益を確保できる段階で具体的に説明できる」と述べた。

◆ゲームは日本重視、決済はステーブルコインへ拡張

ゲーム事業では、NHN本体のゲーム部門と日本のNHN PlayArtが共同で進める新作「幻想世界のプチポヨン」を今冬に投入する予定だ。NHN PlayArtは9月に東京ゲームショウに出展し、同作を含むラインアップを公開する。

第2四半期のウェブボードゲーム売上高は前年同期比15%増だった。NHNは「Hangame Royal Hold'em」を軸とするオフライントーナメント「HPT」を通じて、ユーザー層の拡大とブランド認知の向上を進めており、7月には第4回大会を開催した。

日本のモバイルゲームでは、「#コンパス」がアニメ「チェンソーマン」とのコラボレーション効果により、売上高が前四半期比105%増となった。

決済事業では、NHN KCPの加盟店基盤をステーブルコイン分野へ広げる。NHN KCPの第2四半期の取扱高は17兆ウォンで、前年同期比34%増。韓国国内のPG市場シェアは約30%と、前四半期から2ポイント上昇した。

NHN KCPは、グローバルのブロックチェーン企業Avalancheと共同開発したメインネットを活用し、従業員向けの概念実証(PoC)を完了した。7月末のデモデーでは、NHN Paycoアプリにデジタルウォレットを組み合わせたステーブルコイン決済と、加盟店精算の仕組みを披露した。

当期純利益は291億ウォンで、前年同期比158.8%増だった。一方で前四半期比では6.6%減となった。アンCFOは「金融コストが増えたというより、金融収益が減少したためだ」と説明し、「第1四半期に投資資産を処分したことに伴う処分益・評価益の反動が出た」と述べた。

NHNは下期も、ゲーム、決済、技術の各事業で黒字基調が続くと見込む。アンCFOは「今年中はこの流れを維持できる」との見方を示す一方、「その他部門では引き続き赤字が出ているが、効率化によって損失は縮小している」と説明した。

今後の焦点は、拡大するAI GPU需要を長期契約や海外売上につなげられるかどうかにある。あわせて、日本向け新作やステーブルコイン関連事業を次の成長ドライバーとして育成できるかも注目される。

キーワード

#NHN #NHN Cloud #GPU #AI #データセンター #NVIDIA #B200 #B300 #GPUaaS #FactoryX #NHN KCP #IPO #日本 #ステーブルコイン #ブロックチェーン
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.