Clarity法案を巡っては、法案内容に加え上院での手続きの行方も焦点となっている。写真=Reve AI

米暗号資産市場の制度整備を担う「Clarity法案」について、TD Cowenは今秋中に最終成立する確率が25%にとどまるとの見方を示した。上院採決が9月以降にずれ込んだうえ、民主党が修正案対応を巡って手続き面で抵抗する可能性があるとみている。

Bitcoin Magazineが10日(現地時間)に報じたところによると、TD Cowenは上院での採決遅延と民主党の対応を踏まえ、法案成立のハードルが一段と高まったと分析した。

最大の不確定要素は日程だ。米議会は、長く審議が続いてきた同法案の重要採決を5週間の休会前に終える構えだったが、先週予定されていた日程は延期され、上院採決は9月に持ち越された。TD Cowenは、夏前に可決へ持ち込めなかったことで、9月に処理される可能性も低下したとみている。

Clarity法案は、米暗号資産市場全体に適用する連邦レベルのルール整備を柱とする法案だ。昨年に下院を通過し、その後も民主・共和両党が修正協議を続けてきたが、足元では手続きや条文の細部を巡る政治対立が再び強まっている。

TD Cowenは「法案が頓挫したわけではないが、前進はより難しくなった」と指摘したうえで、「今秋中にClarity法案が成立しない確率は75%」と付け加えた。

具体的には、9月に最初の討論終結(クローチャー)採決が通過しても、その後に共和党が倫理規定やマネーロンダリング対策に関する民主党の修正案を退け、民主党が2回目の討論終結採決を阻止する可能性があるとした。そもそも討論終結採決自体が実施されない可能性もあるとしている。討論終結は、上院で討論を打ち切り、最終採決に進むための手続きだ。

政治面の争点も鮮明になっている。最新の草案には、政府高官が暗号資産を宣伝したり、それによって金銭的利益を得たりすることを禁じる文言が盛り込まれた。この条項は民主・共和両党が共同で作成し、7月以降に出回り始めたという。

一方で、エリザベス・ウォーレン上院議員をはじめ、当初から同法案に批判的な民主党議員の一部は、新たな立法が大統領とその家族の利益につながりかねないと主張している。

同法案を巡っては、暗号資産企業だけでなく、Goldman SachsやFidelityといった大手金融会社や法執行機関も支持している。米暗号資産市場の基本ルールを定める法案だけに、上院審議が9月にどのような形で再開されるかが業界の焦点となる。

こうしたなか、9月の上院日程は単なる採決時期以上の意味を持ち始めている。最初の手続き採決が実施されるか、実施された場合に超党派の合意が維持されるかが、法案の行方を左右する公算が大きい。共和・民主両党が倫理規定とマネーロンダリング対策条項を巡って再び衝突すれば、下院を通過した市場構造法案も秋の立法日程を乗り切れない可能性が高まりそうだ。

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