フィジカルAI向けデータを手がけるnDotLightは8月11日、150億ウォン(約16億5000万円)を資金調達したと発表した。調達資金は、ロボット向け3D合成データ基盤「TRINIX」の高度化を中心に、生成型CADエンジンや物性データベースの強化、採用拡大などに充てる。
今回のラウンドはKDB産業銀行が主導した。既存投資家のNaver D2SF、IMM Investment、Capstone Partnersが追加出資し、NH Venture Investment、OurCrowd、Stonebridgeが新たに加わった。
nDotLightは、自社開発のシミュレーション向け3Dアセット生成ソリューション「TRINIX」を基盤に、フィジカルAIの学習用データを提供している。
TRINIXは、質量や摩擦といった物理特性に加え、関節構造や衝突範囲を反映した3Dデータを自動生成する技術だ。NVIDIAのシミュレーションプラットフォーム「Omniverse」と連携し、ロボット学習に必要な合成データを大規模に生成できるとしている。
同社は、実環境でのデータ収集に用いるテレオペレーションやモーションキャプチャのコストや速度の課題を補い、シミュレーションと現実の差を指す「Sim-to-Real Gap」の縮小につなげられると説明している。
現在はHyundai Motor、LG ElectronicsのフィジカルAIプロジェクトにデータ供給企業として参画している。このほか、Holiday Robotics、Arobot、Realworldなどのロボット企業や、ロボット向け基盤モデルを手がける企業にもAI学習データを供給している。
調達資金は、生成型CADエンジンと物性データベースの高度化に加え、「NVIDIA Isaac Sim」およびOmniverseとのワークフロー連携の拡大にも投じる。あわせて、グローバル市場への展開を進めるとともに、全職種で採用を拡大する方針だ。
キム・ジニョン代表は「フィジカルAI時代の競争力は、シミュレーション環境で即時に学習できる高品質なデータを、どれだけ効率よく確保できるかにかかっている」とコメント。「グローバルの産業現場で信頼されるフィジカルAIデータインフラ企業への成長を目指す」と述べた。