科学技術情報通信部と韓国産業技術振興協会(KOITA)は10日、2026年8月の「大韓民国エンジニア賞」受賞者を発表した。空調家電向けファンの性能向上に取り組んだLG Electronicsのチェ・ソクホ責任研究員と、電力半導体パッケージ技術を開発・商用化したJMJECOのチェ・ユンファ代表を選定した。
チェ・ソクホ氏は、エアコンや空気清浄機などに使われる空調家電用ファンに、生体模倣に基づく流体制御設計を導入し、送風性能とエネルギー効率を高めた点が評価された。
ファン表面には、ザトウクジラのひれの突起やホタテガイの殻構造を応用した。これにより、流れのはく離や回転方向への無駄な流動を抑え、最大風量を20%引き上げる一方、消費電力を20%削減したという。
チェ・ソクホ氏は「革新的な流体技術を基盤に、さまざまな空調製品の競争力を高めていきたい。新たに拡大するデータセンター冷却市場でも、国産製品の活用拡大に向けて最善を尽くす」とコメントした。
一方、チェ・ユンファ氏は、銅導体を活用した高効率の電力半導体パッケージ技術を開発し、商用化した実績が評価された。
従来の電力半導体は、チップと基板を細いワイヤで接続する方式が主流だったが、放熱性能に限界があった。チェ・ユンファ氏は、銅素材の導体「クリップ」を使ってチップと基板を接続する構造を採用し、放熱面積を拡大した。
その結果、競合製品に比べて電気抵抗率を約60%低減し、熱伝導率を約50%高めたとしている。関連技術はTexas Instruments(TI)、UTAC、Amkor、onsemiなど世界の電力半導体メーカーに供給されている。JMJECOは2025年、輸出1000万ドルを達成した。
チェ・ユンファ氏は「研究開発力を基盤に、電力半導体分野をリードする企業へ成長できた。今後も電力半導体の国産サプライチェーン構築を通じて、グローバル市場での競争力を強化していく」と述べた。
「大韓民国エンジニア賞」は、産業現場で技術革新に貢献したエンジニアを選び、科学技術情報通信部長官賞と賞金500万ウォン(約55万円)を授与する制度。