写真=Reve AI

米上院で、暗号資産の市場構造を定める「クラリティ法」の審議が9月に持ち越され、年内成立の見通しは不透明になった。米証券取引委員会(SEC)元顧問で、Paradigmの規制担当副社長を務めるジャスティン・スローター氏は、法案について「死んだわけではない」としながらも、延期によって可決の可能性は大きく低下したとの見方を示した。

ブロックチェーンメディアのU.Todayが7日(現地時間)に報じた。

同法案は当初、議会の8月休会前に上院で手続き上の採決が行われる見通しだった。しかし、上院共和党院内総務のジョン・スーン氏は、交渉が行き詰まったとして採決を9月に延期。これにより上院は、選挙戦が本格化する時期の限られた会期の中で、改めて法案を扱うことになった。

スローター氏はX(旧Twitter)への投稿で、クラリティ法について「終わったものではない」と評価した一方、日程の後ろ倒しによって成立への道筋は一段と狭まったと指摘した。

同氏によると、上院で法案を迅速に前進させるには、全会一致同意の手続きが必要になる可能性がある。ただ、今回の暗号資産法案ではその土台が整っておらず、必要な審議時間に関する合意にも少なくとも10人の上院議員が応じなかったという。

異論が残る中で討論終結の手続きを経る方法は、時間を要しすぎるため現実的ではないとの見方も示した。

延期の直接的な背景としては、外部からの批判に加え、共和党内の反対も挙がった。スローター氏は、ウォール・ストリート・ジャーナルの最近のオピニオン記事に触れつつ、ジョシュ・ホーリー上院議員ら共和党議員の土壇場での反対が、採決延期の一因になったと指摘した。

法案を巡る政治的な負担が増し、休会前に処理を進める勢いが弱まったとの見立てだ。

市場や業界にとって次の節目となるのは、選挙後のレームダック会期だ。スローター氏は、選挙後に開かれる会期で法案が通過する余地はなお残っているとした。

ただし、そのシナリオが現実味を帯びるには、民主党が中間選挙で相当数の議席を失う必要があるとの条件も付けた。現時点でも再浮上の可能性は残るが、今後は政治日程と議会の勢力図がこれまで以上に大きな変数になるというわけだ。

また、規制を巡る議論がワシントン政界の内部だけでなく、世論の影響も受けている点にも言及した。スローター氏は「ワシントンの政策は依然としてエリートメディアの影響を受ける」としたうえで、「保守系のオピニオンリーダーの相当数が暗号資産に懐疑的だ」と述べた。

業界が政策決定者への働きかけだけでなく、世論形成に影響力を持つ層の理解も得られなければ、法案審議のスピードを高めるのは難しいとの見方だ。

こうした状況を踏まえると、クラリティ法の今後は、9月の上院会期と選挙後の議会構図に大きく左右されることになる。上院内で手続き面の合意をどこまで早く形成できるか、また暗号資産業界が政治的な反発をどこまで和らげられるかが、次の焦点となる。

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