画像=XRP Ledger(XRPL)

XRP Ledger(XRPL)で、取引メモ欄の容量上限を従来の1KBから約1.3MBに引き上げる提案を巡り、コミュニティ内で議論が広がっている。画像やPDF、音楽、動画、ソースコードなどの大容量データをチェーン上に直接保存できるようにする構想に対し、ネットワーク負荷の増大や分散性の低下を懸念する声が上がっている。

ブロックチェーンメディアのU.Todayによると、同メディアは9日(現地時間)に報じた。提案の柱は、XRPLの取引メモ欄の上限を大幅に引き上げ、取引に付随して記録できるデータ量を増やすことにある。

狙いは、XRPLの用途を決済や資産移転にとどめず、各種コンテンツの保存領域にまで広げることだ。提案を支持するXRPL財団関係者のVet氏らは、利用者が追加の保存コストを負担する意思があるなら、プロトコル側でその選択肢を認めるべきだと主張している。

メモ欄の容量が拡大すれば、利用者は画像や文書、音楽、短い動画、ソースコード、圧縮ファイルなどを取引データに直接含められるようになる。一部では、XRPLの新たなユースケースにつながるとの見方も出ている。

決済や資産移転に加え、コンテンツやデータのオンチェーン保存まで可能になれば、ネットワークの活用範囲は大きく広がるとの期待がある。一方で、元Rippleの開発者リレーション責任者だったマット・ハミルトン氏は、この案に強く反対している。

ハミルトン氏は、この提案を「本当に悪い考え」と批判し、XRPL本来の目的にそぐわないと指摘した。問題は、データ保存の仕組みにあるという。

XRPLのバリデータやノードは、取引履歴を保存しながら同期を続ける必要がある。大容量の画像や動画が取引データとして継続的に追加されれば、台帳のサイズが急速に膨らむ可能性があると同氏はみている。

さらに、利用者が大きなファイルを台帳に保存し続ければ、すべてのノードがそのデータを長期にわたって保持する負担を抱えることになる。ノード運用に必要なストレージ容量やハードウェア要件が高まれば、独立した参加者にとって参入障壁が上がる恐れもある。

その結果、XRPLの分散性にも影響が及びかねない。ノード運用コストが上昇するほど、個人や小規模な運用者は参加しにくくなり、バリデータやノードの多様性が損なわれる可能性があるためだ。

これに対し、ハミルトン氏は代替案として、大容量コンテンツはブロックチェーン本体に保存せず、Filecoinのような分散型ストレージネットワークを活用する方式を示した。XRPLには参照情報やリンクのみを記録し、実際の大容量ファイルは別の保存ネットワークで管理するという考え方だ。

同氏は、このハイブリッド型の構成であれば、大容量コンテンツを扱いながらも、XRPLを高速で軽量な決済台帳として維持できると説明した。ブロックチェーンは決済と資産移転に集中し、大容量データの保存は、その用途向けに設計された別ネットワークに委ねる方が効率的だとしている。

今回の論点は、XRPLの活用範囲をどこまで広げるべきかという設計思想の違いにある。オンチェーンにより多くのデータを載せて利便性を高めるべきだという立場と、ネットワークの軽量性や分散性を優先すべきだという立場が対立している。

今後の議論では、メモ欄の容量拡大が実際のプロトコル変更につながるかどうかに加え、機能拡張に伴うノード運用コストの上昇や分散性低下のリスクを、どこまで抑えられるかが焦点となりそうだ。

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