Strategyによるビットコインの買い増し観測が再び強まっている。マイケル・セイラー会長がX(旧Twitter)に関連チャートとともに「Doing Business」と投稿したことで、市場では追加取得再開のシグナルではないかとの見方が広がった。
ブロックチェーンメディアのU.Todayが9日付で報じたところによると、セイラー氏は「StrategyTracker」のチャートをXに投稿した。市場関係者が注目するのは、同氏が先週日曜にも同様の形式で投稿した後、ビットコイン売却が公表された経緯があるためだ。今回の投稿についても、手元資金を使った買い増し再開を示唆する可能性が意識されている。
Strategyは直近で資本構成を見直している。8月3日には1638BTCを約1億500万ドルで売却したと開示した。調達した資金は、STRCの自社株買いと配当支払いに充てたほか、短期的な債務・運営上の支払いにも活用したとしている。
この売却により、同社の資金余力は大きく拡大した。6月以降、Strategyはバランスシート上でビットコインの追加取得を行っていないが、今回の措置を経て利用可能なキャッシュバッファーは約40億ドル規模に達した。十分な現金を確保したことに加え、足元のビットコイン価格が同社の平均取得単価を下回って推移している点も、市場の関心を集める背景になっている。
最新のチャートによると、Strategyのビットコイン保有量は84万2138BTC。評価額は546億6000万ドルに上る。2020年以降の累計購入回数は113回で、平均取得単価は1BTC当たり7万5653ドルとされる。
一方で、ポートフォリオには依然として大きな含み損が残る。市場変動の影響で、現在の未実現損失率は14.21%、金額では約90億5000万ドルに達する。約90億ドル規模の含み損を抱える一方、40億ドル規模の現金も確保しており、損失負担が重い局面でも一定の流動性を維持している格好だ。
セイラー氏の投稿手法そのものも、市場が敏感に反応する要因になっている。同氏はこれまでも「StrategyTracker」のチャートを通じて次の動きを示唆してきた。今回も短いメッセージにとどまったが、投資家はこれを買い増し再開のサインとみるべきか見極めようとしている。
今後の焦点は、Strategyが従来の分割購入戦略に戻るかどうかだ。同社は各種支払いを終えた後も多額の現金を手元に残しており、ビットコイン価格も平均取得単価を下回る水準にある。追加購入に向けた条件は整いつつあるが、今回の投稿が実際の買い付けにつながるかどうかは、現時点では確認されていない。
市場が注目しているのは、投稿の文言そのものよりも、Strategyの資金余力と取得単価の位置関係だ。保有ビットコインに大きな含み損を抱える局面でも現金を厚く確保している点は、同社が従来の購入戦略を再開できる余地を示している。