通信3社のAIデータセンター競争は、設備規模よりも運用技術の高度化が焦点になっている。写真=Shutterstock

通信3社のAIデータセンター競争が、設備拡張から運用技術の競争へと軸足を移している。データセンターの大規模化に伴い、発熱量と電力消費が急増する中、冷却効率や安定した電力供給、ネットワーク接続性が競争力を左右する要素として重要性を増している。

業界関係者によると、SK Telecom、KT、LG Uplusはそれぞれの強みをAIデータセンター事業に投入する動きを強めている。単に収容能力を増やすのではなく、サーバー、半導体、冷却、電力、ネットワークを組み合わせ、AI演算の効率を高める構えだ。

◆SK Telecom、超大型案件を軸にAIデータセンター拡大

SK Telecomは3社の中でも、AIデータセンター事業の拡大に最も積極的だ。先月にはAIデータセンター専門子会社「SK Hyper」を設立し、2030年までに7500億ウォンを出資する方針を示した。

SK Hyperを中核に、2029年までに5GW規模のAIデータセンターを段階的に整備し、2035年には15GWまで拡大する計画を掲げている。

最初の大型案件となるのが蔚山AIデータセンターだ。SK TelecomはAmazon Web Services(AWS)と協力し、蔚山に大規模AIデータセンターを構築する。SK hynixの半導体、SK Broadbandのネットワークに加え、グループのエネルギー関連会社との連携効果も見込む。

AI演算の効率向上に向けた技術開発も進めている。ArmおよびAI半導体企業Rebellionsと連携し、Armの「AGI CPU」と、RebellionsのAI推論向けアクセラレーター「Rebel Card」を搭載したサーバーソリューションを開発する。

CPUとAI推論向けNPUを組み合わせることで、GPU中心のAIインフラを補完し、消費電力とコストの削減を狙う。

コンピューティングリソースの利用効率を高める技術開発も進行中だ。SK TelecomはPanmnesiaと共同で、Compute Express Link(CXL)を活用し、CPUやGPU、メモリを柔軟に接続できる次世代AIデータセンター構成を開発している。特定サーバーで不足するメモリを他のリソースで補完し、GPUやメモリの稼働効率を高める狙いがある。

設備構築や冷却、電力分野では、SupermicroやSchneider Electricとの連携も進める。サーバーや電力・冷却インフラの効率向上を図る考えだ。

SK Hyperのチョン・ソックン代表は先月の発足時、「体系的かつ迅速な実行を通じて、中核インフラと顧客を確保する」と述べた。超大型データセンターの建設に加え、需要をどれだけ早く取り込み、効率よく運用できるかが成否を左右しそうだ。

◆KT、DCIを軸に接続性で差別化

KTは全国通信網と、長年蓄積してきたデータセンター運用ノウハウを前面に打ち出す。今後5年間で約5兆ウォンを投じ、1GW規模のAIデータセンターを整備する計画だ。首都圏では電力と許認可を確保した地域を中心に供給し、非首都圏では需要を見極めた上でセンターを建設する方針としている。

同社が強みと位置付けるのが接続性だ。複数のデータセンターを専用線で結ぶデータセンター相互接続(DCI)を活用することで、演算需要に応じた柔軟な拡張が可能になるとしている。

DCIを使えば、データセンター内のスペースが不足した場合や災害復旧体制を整備する場合でも、別の拠点にインフラを拡張できるという。

AIデータセンターでも、この接続性は競争力になり得る。AIの学習・推論リソースを複数拠点に分散しても、高速ネットワークで接続することで、単一インフラのように運用できるためだ。

冷却技術の高度化も進めている。KT Cloudは、GPUで発生する熱を冷却水で直接冷やすダイレクト・ツー・チップ(D2C)方式の液体冷却を国内で初めて商用化した。KTのパク・ユンヨン代表は最近、木洞2データセンターを訪れ、液体冷却やDCIなどAIデータセンターの中核技術を点検した。

パク代表は先月の記者懇談会で、「人中心からAI中心へと接続対象が拡大するAI転換の時代でも、大韓民国の接続を担うKTの本質は変わらない」と述べた。既存の通信インフラと運用力を生かし、AIデータセンターでも差別化を図る考えとみられる。

◆LG Uplus、「One LG」で冷却・電力技術を強化

LG Uplusは、グループ各社の技術を結集する「One LG」戦略で差別化を目指す。中核拠点となるのが、2027年の竣工を目標に建設を進める坡州AIデータセンターだ。

坡州AIデータセンターは、首都圏最大となる200MW規模で整備される計画だ。グループの新技術を幅広く投入し、冷却面ではLG Electronicsと連携する。GPUチップにコールドプレートを装着し、冷却水を直接循環させるD2C方式の液体冷却を採用する。

電力分野では、LG Energy Solutionの高性能UPS用バッテリーを活用し、停電や電圧変動に備える。あわせて、火災や熱暴走のリスク低減も図る。

LG Uplusは、全国15カ所のデータセンター運用経験に、AIベースのデータセンターインフラ管理システム(DCIM)を組み合わせる。電力使用量、温湿度、冷却状態、設備異常の有無をリアルタイムで分析し、電力不足や過熱の兆候を事前に把握することを目指す。

アン・ヒョンギュンLG Uplus AI事業グループ長は先月、坡州AIデータセンターで「GPUを最も安定的に運用し拡張するAIファクトリーへ飛躍する」と述べた。AIサーバーの収容にとどまらず、冷却・電力・運用を一体で最適化する戦略を進める。

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