ソーシャルメディアサービス「Myspace」が再始動に向けた動きを見せている。ただ、アルゴリズム型フィードと短時間消費型の利用が主流となった足元の市場環境では、再浮上は容易ではないとの見方が出ている。
CNBCが9日(現地時間)に報じたところによると、Myspaceのオーナーであるティム・バンダーフック氏とクリス・バンダーフック氏は、ドキュメンタリー作品「Myspace」への出演を通じて、サービス再始動の方針をあらためて示した。
バンダーフック兄弟は現在もMyspaceブランドを管理しているとしたうえで、再投入に意欲を示した。今回の試みがうまくいかなくても再挑戦する考えを示したが、具体的な再開時期は明らかにしていない。
Myspaceは2003年に、トム・アンダーソン氏とクリス・デウルフ氏が共同設立した。2008年には月間訪問者数が1億1500万人に達し、世界最大級のソーシャルメディアとして存在感を示したが、その後はFacebookに押される形で急速に失速した。
バンダーフック兄弟は2011年にMyspaceを買収し、プラットフォーム刷新を進めたものの、目立った成果にはつながらなかった。損失は1億5000万ドル(約225億円)を超えたという。
今回の再挑戦は、利用者の間でソーシャルメディア疲れが強まる局面とも重なる。MetaのInstagramをはじめ、TikTok、Snapchat、YouTube、Redditなど主要プラットフォームは、規制圧力に加え、利用者のデジタル疲れにも直面している。
Forresterの主任アナリスト、ケイト・ウィニック氏は、Myspace再始動への関心について、アルゴリズムに左右されにくかった時代へのノスタルジーを映し出していると指摘した。そのうえで、ブランドや利用者の一部では、アルゴリズムよりも個人の発信やつながりを重視する、小規模でクローズドな交流へと関心が移っていると述べた。
一方で、ノスタルジーだけで再起できるわけではないとの見方も強い。Myspaceには、過去の持ち味を生かしつつ、シンプルなUIや見つけやすさ、短尺コンテンツの視聴に慣れた現在の利用者ニーズにも応えることが求められる。
ウィニック氏は、従来型のままであればニッチなサービスにとどまる可能性がある一方、過去のMyspaceらしさを前面に出し過ぎれば、よりシンプルな利用体験に慣れた世代の期待に応えにくくなると分析した。