S&P Dow Jones Indicesと暗号資産投資会社のPantera Capitalは23日、実際の利用状況と収益性を重視した新たな暗号資産指数「S&P Pantera Digital Asset Index」を公表した。18銘柄で構成し、機関投資家向けのベンチマークとして位置付ける。
ブロックチェーンメディアのCoinpostによると、この指数は価格の勢いやミームコイン人気ではなく、実際のサービス利用と収益創出の有無を基準に採用銘柄を選ぶ点が特徴だ。
両社は、短期的な流行や投機需要を追うのではなく、トークンや関連サービスが実際に使われ、経済的価値を生み出しているかを重視すると説明している。体系的な資産配分を目指す機関投資家の需要を意識した設計だとしている。
指数は18銘柄で構成される。公式資料によると、上位5銘柄はEthereum、BNB、Solana、TRON、Hyperliquidだ。短期的なテーマ性や投機性ではなく、実用性と経済価値に焦点を当て、ファンダメンタルズを重視して組み入れ銘柄を選定したとしている。
両社は、この指数が参考指標にとどまらず、今後の新たな投資商品のベンチマークとして活用される可能性があるとしている。デジタル資産の導入に積極的な資産運用会社にとって、ブロックチェーンや暗号資産市場をより透明かつ体系的に評価する基準にもなり得るという。
S&P Globalは今回の発表について、デジタル資産市場が新たな段階に入ったことを示すものだと説明した。市場の成熟が進み、ブロックチェーン活用事例の価値検証も進展しているほか、主要市場では規制の明確化も進んでおり、機関投資家が参入しやすい環境が整いつつあるとの見方を示した。S&P Dow Jones IndicesのCEO、キャシー・クレイ氏はPantera Capitalとの協業について、「非常に変化の速い資産クラスにおいて、投資家がファンダメンタルズに集中できるよう支援する」とコメントした。
Pantera Capital創業者のダン・モアヘッド氏は、暗号資産市場では依然として資産配分のあり方が重要な課題だと指摘した。「暗号資産市場における最大の障害は、今なお資金配分の構造にある。重要なのは、資金をどのように配分するかを理解することだ」と述べた。さらに、「今はデジタル資産にとって極めて重要な時期だ。どのデジタル資産とインフラが本当に重要なのかを見極められるよう、この指数を開発した」と明らかにした。
今回の指数公表は、機関投資家の市場アクセス拡大を後押しする動きの一環ともいえる。両社は、市場の人気や特定銘柄への資金集中を追うのではなく、実需と収益性に基づく基準を示すことで、暗号資産投資の判断材料を広げたい考えだ。今後、実際の投資商品でどこまでベンチマークとして採用が進むかが注目される。