Tetherの金連動トークン「Tether Gold(XAUT)」が、アブダビ・グローバル・マーケット(ADGM)で現物コモディティとして承認された。必要な認可を受けたADGM域内の企業は、XAUTに関連する取引や保管などのサービスを提供できるようになる。
Cointelegraphが現地時間20日に報じた。
今回の承認は、ADGMがTetherの米ドル連動ステーブルコイン「USDt(USDT)」を受け入れたのに続く動きだ。Tetherは中東の主要な国際金融特区の1つであるADGMで、規制下で扱える商品の範囲をさらに広げた格好となる。
今回のポイントは、金連動トークンが制度金融の枠内で扱われる道筋が明確になった点にある。Tetherの最高経営責任者(CEO)パオロ・アルドイノ氏は、この指定によって規制対象企業によるXAUT提供の枠組みがより明確になったと説明した。ADGMも、域内企業が取り扱える商品・サービスの範囲を広げることで、事業成長を後押しする考えを示した。
市場データも需要拡大を裏付けている。DeFiLlamaによると、Tether Goldの総預かり価値(TVL)はこの1年で約8億2600万ドルから約28億6000万ドルへ拡大し、3倍超に増えた。需要が取引や保管にとどまらず、より幅広い用途に広がりつつあることもうかがえる。
活用範囲も広がっている。ビットコイン融資プラットフォームのLednは6月、XAUTを年内に融資担保へ追加する計画を明らかにした。利用者は保有するトークン化された金を売却せず、担保として資金を借りられるようになる。
こうした動きは、トークン化実物資産(RWA)市場全体の拡大とも連動する。RWA.xyzによると、トークン化コモディティの規模は約44億6000万ドルで、トークン化実物資産市場全体の約347億3000万ドルの約13%を占める。不動産や債券と並び、コモディティが実物資産トークン化の主要分野の1つになっていることを示す数字だ。
ADGMの今回の判断は、トークン化された金を制度圏の金融サービスで扱える範囲を広げる事例といえる。Tetherはステーブルコインに続き、金を裏付けとするデジタル資産でもADGMの規制下での足場を固めた。今後は、認可企業がXAUTを活用した取引、保管、担保融資などのサービスをどこまで広げるかが焦点となる。