Hancomは15日、ポーランドの政府公認の研究開発センター7Bulls、AI・IT企業Algomineと共同で、欧州市場向けソブリン・エージェント型OSの開発を進めることで合意したと発表した。現地LLMの活用、既存システムとの連携、EU規制への対応を軸に、ポーランドの公共・金融分野でPoCも進める。
3社が合意した共同開発の柱は、(1)製品化とローカライズ(2)既存ソリューションとの連携(3)ガバナンスとEU規制対応(4)市場開拓と事業化――の4項目。
Hancomは、既存システムを置き換えるのではなく、そのまま活用しながら欧州向けソブリン・エージェント型OSを構築する方針だ。ローカライズは言語対応から着手する。ポーランドでは、同国語に特化したLLM「Bielik」の活用が進んでおり、Hancomはこうした現地モデルをエージェント型OSに組み込む構成を検討している。
あわせて、ポーランド語エージェントの性能を検証する評価体系を共同で整備する。日付や通貨、文字表記などのロケール対応も進める。
提供環境は、閉域網とオンプレミスを基本とする。ソフトウェア一式を移設し、どこでも同一方式で稼働できる配備モデルを、現地インフラ事業者とともに構築する。
Hancomは7Bullsと、現地の基幹システムに接続する連携モジュール(コネクター)も開発する。AIエージェントが既存システムのデータを読み書きできるようにするもので、電子請求書や電子政府プラットフォームなどを優先対象としている。
また、3社はEUのAI Actと一般データ保護規則(GDPR)の要件を反映した開発ガイドも共同で策定する。Algomineの顧客チャネルを活用して、ポーランドの公共・金融市場での展開を進めるほか、欧州での導入実績の確保に向けたPoCも並行して実施する計画だ。
Hancomのキム・ヨンス代表は「欧州の公共システムは、数十年にわたり蓄積されてきた資産だ」とした上で、「それを置き換えるのではなく、知能化することが当社のアプローチだ」と述べた。さらに「AI主権はインフラを整えるだけでは完成しない。その上でデータを実際に機能させるレイヤーが必要で、その役割をHancomが担いたい」と強調した。