米英の財務当局は14日、トークン化資産とステーブルコインを巡る共同勧告を公表した。トークン化資産の越境活用に向けた実証枠組みの整備と、ステーブルコイン規制の共通原則づくりを進める方針を打ち出した。
ブロックチェーンメディアのCointelegraphによると、米国財務省と英国財務省は「未来市場のための大西洋横断タスクフォース」の一環として、デジタル資産に関する4項目の勧告をまとめた。
柱となるのは2点。トークン化資産の越境利用を検証する協力枠組みの構築と、ステーブルコイン市場に関する共通の規制原則の策定だ。
両国は、民間主導の協議体の設置を検討し、トークン化資産の越境利用事例を実証する必要があると提案した。そのうえで、米国の金融当局とイングランド銀行が、トークン化資産規制で共通のアプローチを探るよう求めた。
ステーブルコインについては、規制の整合にとどまらず、越境市場の形成にも踏み込んだ。共同勧告では、「越境で機能する活発なステーブルコイン市場」の構築を目標に掲げている。
制度設計そのものは各国が担う一方で、同種のリスクや活動に対しては、各国で大きく異ならない規制上の帰結が得られるよう基準をそろえる考えも示した。金融安定を確保しつつ、市場のゆがみや越境競争の阻害を避ける狙いがある。
準備資産の基準は、米国で進む立法の方向性とも足並みをそろえる内容となった。勧告では、ステーブルコインは「少なくとも1対1で、高品質かつ流動性の高い資産によって全額担保されるべきだ」と明記した。
米国財務省の声明は、決済用ステーブルコインに関するジニアス法に直接は触れていない。ただ、この文言は、2027年1月の施行を控え、詳細規則の承認を待つ米国制度と同じ方向性を示したものとみられる。
今回の公表は、英国で進むトークン化産業の育成論議とも軌を一にする。英国政府が支援した業界タスクフォースは、英国がトークン化分野の先進的な管轄の一つとなり、世界的な普及拡大に合わせて国内導入も主要競合国並みに進んだ場合、2035年までに年間の経済生産が最大440億ドル押し上げられる可能性があるとの見方を示していた。
英国側では実行スケジュールも示されている。業界タスクフォースは、2027年1〜3月期までにトークン化債券を発行し、ブロックチェーン基盤の金融取引の実証も進めるよう求めた。
米英の共同勧告は、トークン化金融の市場実証と制度整備を並行して進める流れを後押しする内容といえる。今後は、両国の制度連携が具体的な規制案や市場での実証へ発展するかが焦点となる。