金融委員会は15日、金融機関CEOの長期支配を防ぐため、再任手続きの見直しを含むガバナンス改革に着手すると発表した。あわせて、国民成長ファンドを200兆ウォン規模に拡大するほか、金融分野のネットワーク分離規制を全面的に緩和し、生産的金融とAI転換(AX)を後押しする方針も打ち出した。
同委員会は同日、関係省庁合同の下半期業務報告で、こうした金融構造改革の推進方針を公表した。
イ・オクォン金融委員長は「代替不可能な大韓民国を支える金融構造改革を、より強い推進力とスピード感を持って本格化させる」と述べた。
金融委員会は、下半期の金融政策の柱として「生産的金融」「包摂的金融」「信頼される金融」の3分野を掲げた。
◆CEO再任手続きを見直し、長期支配をけん制
金融委員会は、金融機関のガバナンスの公正性と透明性を高めるため、CEOが自らに近い取締役会を形成し、経営権を長期にわたって維持する構図を抑制する方針だ。
CEOの再任手続きも見直す。候補者の推薦、適格性の検証、取締役会決議に至るまでのプロセス全体の透明性を高め、特定経営陣への権限集中を防ぐ狙いがある。
金融機関に対する検査、制裁、認可を含む金融行政・監督体制全般についても見直しを進める。具体的なガバナンス改革案と金融行政刷新策は、別途公表する予定だ。
金融業界のAXと業務革新を支援するため、ネットワーク分離規制の全面緩和も進める。金融機関が外部のAIやクラウドサービスをより幅広く活用できるよう規制を緩和し、あわせてデジタルセキュリティのルール整備も進める。
信用情報の利用同意制度も改編する。金融機関がAIやデータ技術を活用し、個々の事情に応じた包摂的な金融サービスを提供できるよう、データ活用基盤を広げる方針だ。
◆国民成長ファンドを200兆ウォン規模に拡大
先端産業への資金供給を拡大するため、金融委員会は国民成長ファンドの規模を150兆ウォンから200兆ウォンに増やす。支援対象も、既存の12の先端産業から宇宙航空などの未来戦略産業まで広げる。
先端産業プロジェクトのリスクを金融機関が直接分担する株式投資支援も、年間3兆ウォンから5兆ウォン超へ拡大する方針だ。
国家戦略技術に重点投資する仮称「韓国戦略技術パートナーズ(KSTP)」も新設する。将来の源泉技術と中核技術に対し、最大10兆ウォンの長期・大規模投資資金を供給する計画だ。
国民成長ファンドは発足から6カ月で、21件の事業に計14兆6000億ウォンの支援を承認した。5月に発売した6000億ウォン規模の国民参加型ファンドは、販売開始から5営業日で完売した。
金融委員会によると、金融業界は今年5月までに生産的分野へ約150兆ウォンを供給した。今後は、金融機関が生産的金融に関する組織や人員を拡充し、主要業績評価指標(KPI)に関連実績を反映するよう促す。
◆地方向け政策金融、2028年に164兆ウォンへ
地域企業と地方産業への金融支援も強化する。政府は「5極3特」の地域発展戦略と連動し、地方向け政策金融を2025年の100兆ウォンから2028年には164兆ウォンへ拡大する計画だ。信用保証基金は、地域戦略産業向けに1兆ウォン規模の優遇保証を供給する。
民間金融機関の地域向け資金供給を増やすため、地域再投資評価の選別機能を高めるほか、地方金融の実績を盛り込んだ「生産的金融ファクトブック(Fact Book)」も発刊する。
政策金融機関、大企業、金融機関が参加する地域共生プログラムも拡充し、地域の中小企業や協力会社への資金供給を促す。
資本市場では、相対的に低評価とされるKOSDAQ市場の立て直しに向け、「3大構造革新プログラム」を進める。
フィンフルエンサーによる違法行為など市場をかく乱する行為への取り締まりを強化するほか、株式決済期間を現在の「T+2」から「T+1」へ短縮する案も推進する。
新規株式公開(IPO)の申込証拠金に利子を付す案を整備し、重複上場は原則禁止とする。あわせて、低PBR企業の公表や、上場企業の配当拡大も促していく。
◆少額・低利の庶民向け融資を新設
包摂的金融については、一時的な支援策ではなく、金融機関の常時的な経営体制として定着させる制度改編を進める。
金融委員会は、金融機関の包摂的金融の取り組みを評価する総合評価体系を整備し、包摂金融最高責任者(CIFO)の導入を推進する。
政策型の庶民向け金融を安定的に供給するため、「庶民金融安定基金」も新設する。基金を活用し、政策型庶民金融商品の金利を引き下げ、供給規模を拡大する方針だ。
金融と福祉制度を連携させた少額・低利・長期の融資商品も用意する。融資限度額は100万ウォン、金利は年4.5%、満期は10年とした。
長期延滞債権の整理も続ける。金融公共機関が保有する20年以上の長期延滞債権を一括償却し、不良債権(NPL)の流通・取引市場の管理も強化する。
金融委員会は今年上半期、「新たな跳躍基金」を通じ、88万5000人が保有する10兆4000億ウォン規模の長期延滞債権を買い取り、直ちに取り立てを停止した。
若年層と小規模事業者への支援も拡大する。「青年未来積立」を通じて資産形成を支援するほか、青年の創業向け政策金融商品を供給する。「小規模事業者特化信用評価モデル(SCB)」は8月から、銀行業界の融資に2兆ウォン規模で試験適用する。小規模事業者向け優遇資金である「ザ・ドリームパッケージ」は、供給規模を従来の10兆5000億ウォンから12兆ウォンへ拡大する。
◆家計債務の総量管理を継続
金融委員会は、家計債務の総量を安定的に管理しつつ、住宅ローン関連の資本規制を強化し、金融資金が不動産に偏る動きを抑える方針だ。
金融安定勘定を新設し、迅速整理制度も導入して、金融機関の不良化に先手で対応する。
AIベースの保険詐欺防止インフラを構築するとともに、マネーロンダリング防止(AML)能力も強化し、金融市場の秩序確立を図る。