KOSPIが日中に8%超下落し、サーキットブレーカーが発動したものの、韓国最大の暗号資産取引所Upbitでは取引高の伸びは限定的だった。株式市場の急落を受けて暗号資産市場への関心がやや高まった可能性はあるが、株式投資資金が本格的に流入したと判断するのは時期尚早との見方が出ている。
7月14日付のCryptoSlateによると、KOSPI急落後にUpbitのビットコイン取引高は増加したが、直近の平均水準には届かなかった。
韓国取引所によれば、KOSPIは日中に前日比8.22%下落し、サーキットブレーカーが発動した。規定では、KOSPIが1分以内に前日終値比8%以上下落した場合、全銘柄の売買を20分間停止する。
今回の下落は、中東情勢の緊迫化を背景とした国際原油価格の上昇に加え、Samsung ElectronicsやSK hynixといった半導体主力株の急落が重なり、市場全体に波及した。
株式市場の急変後、Upbitの取引はやや持ち直した。ビットコイン取引高は7月12日の7436BTCから13日に8379BTCへ増え、14日には8724BTCとなった。日次の増加率はそれぞれ12.67%、4.12%だった。
もっとも、取引規模そのものは通常時の水準をなお下回る。直近30日平均は1万2014BTCで、14日の取引高はこれを約27%下回った。さらに、6月26日に記録した2万506BTCと比べると、約57%低い水準にとどまっている。
CryptoSlateは、取引高の増加自体は確認できるものの、新たな相場局面に入ったと判断するのは難しいとみている。取引が大きく落ち込んだわけではない一方、直近平均を回復したり、大幅に上回ったりする動きも確認されていないという。
市場では、今回の株安が高レバレッジ環境で起きた点にも注目が集まっている。聯合ニュースが引用した韓国金融投資協会の資料によると、今年第2四半期の信用取引融資と株式担保貸出の1日平均残高は計61兆9800億ウォン(約6兆8180億円)だった。第1四半期の57兆4200億ウォン(約6兆3140億円)から増加し、関連統計の作成開始以来の高水準となった。
一方、Upbitの取引高だけで株式市場からの資金シフトの有無を判断するのは難しいとの指摘もある。実際に株式投資資金が暗号資産市場へ移ったのであれば、取引高の増加が一時的な反応にとどまらず、複数日にわたって平均を上回る動きとして表れる必要があるためだ。取引所の売買データだけでは、流入資金が既存の暗号資産投資家によるものか、株式投資家によるものかを見分けにくいとの見方もある。
市場では今回の取引高の増加について、株式急落に伴う短期的な関心の高まりにとどまると受け止める見方が優勢だ。KOSPIがサーキットブレーカー発動に至る急落となったにもかかわらず、Upbitの取引高の伸びは限られており、国内投資家の資金が暗号資産市場へ本格的に移ったと結論づけるには材料不足との分析が出ている。