ビットコイン現物ETFのイメージ(写真=Shutterstock)

米国のビットコイン現物ETFから13日に4億2470万ドルが純流出した。直前5営業日で積み上がった資金流入をほぼ打ち消す格好となり、8週連続の純流出後に見られた反発が一時的だった可能性も意識されている。

CryptoSlateによると、13日の純流出を受け、7月6日から13日までの累計資金フローは2億2730万ドルの純流出に転じた。

今回の流出額は、直前5営業日に記録した純流入額1億9740万ドルを大きく上回った。ビットコイン現物ETFはこの5営業日で8週連続の資金流出を止めたものの、13日の大幅流出で反発の勢いは続かなかった。

銘柄別では明暗が分かれた。前週はBlackRockのIBITが2億9190万ドルの純流入となり、市場全体の流入をけん引した一方、FidelityのFBTCは9340万ドルの純流出だった。

13日はその流れがさらに悪化した。FBTCから2億4560万ドル、IBITから1億8550万ドルがそれぞれ純流出し、全体の資金流出の大半を占めた。

一部のETFには資金流入も見られた。VanEckのHODLには610万ドル、Grayscaleの低手数料ビットコインファンドには5340万ドルが流入した。ただ、既存のGrayscale GBTCからは5310万ドルが流出しており、全体の流れを変えるには至らなかった。

今回の資金移動については、ETF市場の反発が市場全体の投資意欲の改善というより、特定銘柄への資金集中によるものだった可能性を示すとの見方が出ている。実際、前週の純流入の大半はIBITに集中しており、複数の運用会社のETFに買いが広がる動きは限られていた。IBITも純流出に転じたことで、需要回復への期待は再び後退している。

ビットコイン価格は14日時点で6万2611ドル(約939万円)近辺で推移した。ただ、ETF投資家が資金を引き揚げた背景は、資金フローの数字だけでは判然としない。資金流出の主体が機関投資家、アドバイザー、個人投資家のいずれかは開示されておらず、ETFの純流出が直ちに現物ビットコインの売却につながったかどうかも明確ではない。

市場構造の変化も解釈を難しくしている。米証券取引委員会(SEC)は、暗号資産の上場投資商品について、現物による設定・償還(in-kind creation and redemption)を認めた。ETFの持ち分は必ずしも現金で償還されるわけではなく、実際のビットコインと交換される場合もある。このため、純流出額だけで市場の売り圧力を断定するのは難しいとの見方がある。

市場では、今週の資金フローが重要な分岐点になるとみられている。13日に発生した4億2470万ドルの純流出を埋め戻すには、残る取引日で少なくとも同規模以上の純流入が必要だ。さらに、直前週の純流入額1億9740万ドルの水準まで回復するには、合計6億2210万ドル以上の新規資金流入が求められる。

市場関係者は、単純な資金総額よりも流入の広がりが重要だとみている。複数の運用会社のETFに幅広く資金が流入してこそ、市場全体の需要回復と判断しやすくなるためだ。逆に、一部銘柄への資金集中や純流出が続けば、9週ぶりの純流入は一時的な反発にすぎなかったとの見方が強まる可能性がある。

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