XRPは1ドル台を維持しているが、2ドル台で取得した中期保有層の戻り売りが上値を抑える可能性が出ている。足元の購入層は損益分岐点に近い一方、6〜12カ月保有層はなお大幅な含み損を抱えており、相場が反発した局面では売り圧力が強まりやすい構図だ。
CryptoSlateが14日(現地時間)に伝えたところによると、オンチェーン分析会社Glassnodeは、6〜12カ月前にXRPを取得した投資家の平均取得単価(実現価格)を2.22ドルと集計した。14日時点のXRP価格1.08ドルを約52%上回る水準で、同価格帯は今後の上値抵抗として意識されやすい。
実現価格は、対象となるコインが最後にブロックチェーン上で移動した時点の平均取得コストを示す。この水準まで相場が戻れば、当該保有層は平均ベースで損益分岐点に達することになる。
保有期間別にみると、損益状況の差は鮮明だ。直近1カ月以内に動いたXRPの実現価格は1.09〜1.11ドルで、足元の相場とほぼ同水準だった。これに対し、1〜2年保有層の平均取得単価は1.89ドル、6〜12カ月保有層は2.22ドルで、採算ラインの回復にはなお大幅な上昇が必要となる。
Glassnodeは、XRPネットワーク全体の平均実現価格についても1.36ドルと算出した。投資家全体の含み損益を示すNUPL(Net Unrealized Profit/Loss)はマイナス0.252で、市場全体では含み損の投資家が優勢な状態にあると分析している。
デリバティブ市場でも、投資家心理は一様ではなかった。12日時点のXRP無期限先物の資金調達率は取引所ごとにばらつきがみられた。Krakenはマイナス0.016%、Coinbaseはマイナス0.003%、BybitとCrypto.comはともにマイナス0.002%、Binanceはほぼ0%だった。
一方で、Gateはプラス0.005%、Hyperliquidはプラス0.006%、BitgetとHuobiはともにプラス0.010%となり、一部ではロング優位の傾向も確認された。
Coinglassは、こうした差について、取引所ごとの利用者層や証拠金の仕組み、売買高の違いに左右されるため、資金調達率だけで相場の方向性を判断するのは難しいと説明した。そのうえで、同じ時点でも取引所によってロング・ショートの選好に差があった点は確認できるとしている。
売買は引き続きデリバティブ主導だ。XRPの直近24時間の先物取引高は17億ドル超と、現物の約2億9040万ドルを大きく上回った。先物は現物の約5.9倍に当たる。未決済建玉(OI)は約23億ドルで6月からは減少したものの、相場形成はなお先物主導の色合いが強い。
短期的な焦点としては、1.11ドルと1.36ドルが挙げられる。XRPが1.11ドルを安定的に回復すれば、直近の購入層は含み益圏に入る。さらに1.36ドルを明確に上回れば、市場全体の平均的な含み損も一部で解消に向かう。その先では、2.22ドル近辺に集中する中期保有分が次の抵抗帯になる可能性が高い。
逆に1ドルを再び割り込めば、最近参入した投資家も損失圏に戻る。プラスの資金調達率を負担しながらロングを維持している投資家の清算が重なれば、相場の変動率が高まる可能性もある。
外部環境も追い風とは言いにくい。米連邦準備制度理事会(FRB)は先月、政策金利を3.50〜3.75%に据え置いたが、中東情勢の緊張やエネルギー価格の上昇を背景に、インフレを巡る不透明感は再び強まっている。米国とイランの緊張が改めて高まるなか、ブレント原油は77ドルを上回り、ドル高基調も続いている。
機関投資家の資金フローも、XRPにはやや逆風となった。米国のXRP現物ETFは7月6〜10日に約720万ドルの純流出となった。一方、同期間の米国ビットコイン現物ETFには約1億9700万ドルが純流入しており、資金がビットコインへ向かう動きもみられた。
市場では、XRPが短期的に1ドルを維持できるかが最大の焦点とみられている。1.11ドル、1.36ドルを順に回復できれば反発期待は高まるが、その後は2.22ドル近辺の厚い戻り売りを吸収できるかが、本格的な上昇トレンド転換を見極めるうえで重要になりそうだ。