OpenAIが開発を進める初のハードウェア製品は、画面を備えない携帯型スマートスピーカーになる可能性が浮上した。海外メディアによると、カメラと複数のセンサーを搭載し、充電式で室内を持ち運んで使える設計という。
9to5Macなど海外メディアは7月14日(現地時間)、同製品の開発が進んでいると報じた。OpenAIがハードウェア事業への参入を表明して以降、製品の具体像が報じられるのは初めてとみられる。
OpenAIは2025年5月、Jony Ive氏のio productsとともにハードウェア事業への参入を発表した。ただ、その時点では製品の形態は明らかにしていなかった。
製品像を探る手掛かりとなったのは、商標権を巡る訴訟だ。iyOがOpenAIとio productsを提訴したことで公開された裁判資料から、最初の開発製品がウェアラブルでも耳装着型デバイスでもないことが判明していた。このため、市場ではどの製品カテゴリーに属するのかに関心が集まっていた。
現時点の報道によれば、OpenAIの第1弾製品は、画面のない携帯型スマートスピーカーになる見通しだ。特定の場所に置いて使える一方、充電式バッテリーを備え、1日を通じて部屋から部屋へ移動しながら使えるよう設計されているという。
市場では、AppleのHomePodとの比較は避けられないとの見方が出ている。とりわけAppleによる営業秘密訴訟を受けて関連論点への関心が高まるなか、OpenAIは初製品について「いかなる営業秘密も侵害しない」との立場を示しているとされる。製品コンセプトや設計を巡る法的リスクに配慮した対応と受け止められている。
初製品は単独の取り組みにとどまらない可能性がある。報道によると、OpenAIは現在、5製品前後を並行して開発している。長期計画には、スマートフォンに代わり得るモバイルAI機器も含まれるという。仮に第1弾がスピーカー型であっても、狙いはより広範な個人向けAIデバイス群にあることをうかがわせる。
OpenAIはこれまで、ペンダント型を含むウェアラブル製品を検討し、家庭用ロボット分野にも関心を示してきたとされる。今回浮上した製品が装着型ではなく、室内利用を前提とした音声・センサー中心の機器だという点も特徴といえそうだ。
こうした動きは、OpenAIがソフトウェア企業にとどまらず、AIの使い方そのものを変える専用デバイスを自ら設計しようとしていることを示す。実際に発売されれば、スマートスピーカーを起点に、モバイルAI機器やホームロボティクスへと広がるハードウェア戦略の出発点になる可能性がある。