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IBM株は14日(現地時間)、第2四半期業績への警戒感から急落し、終値は前日比25.21%安の217.05ドル(約3万2558円)となった。企業のIT予算がAIインフラとサイバーセキュリティにシフトし、同社のメインフレームと関連ソフトウェアの販売に逆風が強まっていることが嫌気された。

Business Insiderなどによると、IBMは決算発表に先立ち、顧客のIT予算配分の変化が想定以上に大きいと投資家に説明した。株価は前日終値の290ドル近辺から大きく下落し、1987年のブラックマンデー以降で最大の1日下落率を記録した。

第2四半期の売上高は172億ドル(約2兆5800億円)と、前年同期比1%増にとどまり、市場予想を下回った。インフラ部門の売上高は7%減少した。

最高経営責任者(CEO)のアービンド・クリシュナ氏は投資家向け書簡で、今四半期は想定通りに進まなかったと説明した。大型契約が見込んでいた時期に成約しなかったことが不振の主因で、顧客の支出行動の変化を過小評価し、十分な速さで対応できなかったとした。

背景には、限られたIT予算の中で企業の優先順位が変わっていることがある。IBMによれば、顧客は値上げ前にAIインフラを確保する動きを強め、メモリ、サーバー、ストレージへの支出を拡大した。そのしわ寄せで、最新のZメインフレームや関連ソフトウェアの購入が抑制されたという。

実際、6月末にかけた数週間で顧客の購買行動はIBMの想定以上に大きく変化した。企業はサーバー、ストレージ、メモリを前倒しで調達し、供給確保を優先した。この動きがメインフレーム売上に影響し、新型Zメインフレームと関連ソフトウェアの需要を弱めたとしている。

サイバーセキュリティ支出の拡大も重荷となった。IBMは、急速に変化するセキュリティ上の懸念を背景に、複数の大型契約が遅れたと明らかにした。Barclaysのアナリストは、この説明が、最近公表されたAnthropicの「Mythos」AIモデルを巡る懸念を指している可能性が高いとみている。

同アナリストは、AIがソフトウェアの脆弱性を短時間で見つけられるとの警戒が強まり、企業が他の技術案件よりもセキュリティ投資を優先していると分析した。

市場では関連銘柄に資金が向かった。メモリ関連株は上昇し、SK hynixは14日にナスダックで20%超上昇した。CrowdStrikeやPalo Alto Networksなどサイバーセキュリティ企業の株価も上昇し、AIインフラとセキュリティが優先投資先として意識される一方、既存の企業向けシステムや一部ソフトウェアは後回しになっている構図が鮮明になった。

焦点は、こうした予算シフトが一時的なものか、構造的な変化なのかにある。BNP Paribasのアナリストは投資家向けメモで「この流れが落ち着いたことを示す兆候はまだない」と指摘した。IBMは22日の決算発表で、今後の見通しを追加で説明する見通しだ。

もっとも、ソフトウェア事業のすべてが同じ影響を受けているわけではない。Barclaysは、顧客が増加したインフラコストを吸収する間、メインフレームの購入を先送りしている可能性が高いとみる。IBMによれば、他のソフトウェア事業は相対的に堅調で、Red Hatを含む一部事業では売上成長がむしろ加速した。

今回の警告は、AI投資の拡大が単なる需要増にとどまらず、企業のIT予算配分そのものを変えつつあることを示した。企業は新規予算を大きく積み増すのではなく、既存支出の配分を見直しており、メモリ、サーバー、ストレージ、セキュリティが恩恵を受ける一方、メインフレームなど既存インフラは同じ予算の中で優先順位の見直しを迫られている。

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