IBMは7日(現地時間)、オンプレミス環境でのAI需要拡大を見据え、小型化した「z17」メインフレームと「LinuxONE 5」製品群を発表した。標準的な19インチラックに対応したほか、より導入しやすい価格帯の新モデルも投入し、中堅・中小企業での採用拡大を狙う。
米メディアSiliconANGLEによると、今回の新製品には、単一フレーム型とラックマウント型のz17に加え、小型フォームファクターの「IBM LinuxONE Rockhopper 5」と「IBM LinuxONE 5 Express」が含まれる。
IBMはz17を19インチラックに搭載できるサイズに小型化した。あわせて、Rockhopper 5とLinuxONE 5 Expressを柔軟なフォームファクターと比較的導入しやすい価格帯で新たに用意し、小規模な組織でもメインフレームを活用しやすくしたとしている。
新しい単一フレーム・ラックマウント型z17は、2基のプロセッサードロワーを備え、最大82コア、最大18TBのメモリを搭載できる。IBM Telum IIプロセッサを採用し、z16と比べてシングルスレッド性能を10%、システム全体の処理能力を最大20%高めた。
LinuxONE Rockhopper 5は、同等規模のx86サーバ23台分に相当するワークロードを処理できるという。トランザクション処理とAIワークロード向けに設計されており、一般的なx86サーバと比べて消費電力を最大83%削減できるとした。
また、Red Hat OpenShift上でAIを組み合わせたオンライン・トランザクション処理(OLTP)ワークロードを実行する場合、一般的なx86構成と比べて4分の1のコア数で同等の処理性能を実現できるとしている。
LinuxONE 5 Expressは、小規模企業向けの事前構成モデル。既存のx86環境に追加導入でき、冷却設備や電源設備の増強は不要としている。
これらのシステムは、データをクラウドに移さず、同一施設内でリアルタイムAI推論や不正検知、意思決定の自動化を処理できるようにする。IBM Spyre Acceleratorは、生成AIやエージェント型アプリケーションを、トランザクションデータのワークロードと同じセキュリティ境界内で実行できるよう支援する。
IBMはハードウェアに加え、ソフトウェアスタックも更新した。新たなインフラ管理プラットフォームでは、Infrastructure as CodeとOpenTelemetryをサポートするほか、耐量子暗号を標準で採用した。高度な暗号化機能や、COBOLアプリケーション向けのモダナイゼーションツールも提供する。