Samsung Electronicsは7日、2026年2Qの暫定業績を発表し、連結売上高は171兆ウォン、営業利益は89兆4000億ウォンだった。メモリー市況の急回復を追い風に、売上高・営業利益とも3四半期連続で過去最高を更新した。一方で、株価は発表当日に約6%下落し、市場の期待値がそれ以上に高かったことをうかがわせた。
売上高は前年同期比129.3%増、営業利益は同1810.26%増だった。2025年4Q以降、過去最高の更新が続いている。
利益水準は、特別賞与引当金を除くとさらに大きい。Samsung Electronicsの労使は、半導体を手がけるDS部門の営業利益の10.5%を特別成果給の原資とすることで合意しており、1Qに6兆ウォン、2Qに11兆ウォン規模の引当金が反映された。
この引当金を除いた2Qの営業利益は106兆5000億ウォン前後と推計される。四半期の営業利益が実質的に100兆ウォンを初めて超えた計算になる。この四半期だけで、2023~2025年の3年間の営業利益合計82兆9000億ウォンを上回った。
業績をけん引したのはメモリー事業とみられる。部門別の実績は開示されていないが、市場ではDS部門が全社利益の大半を稼いだとの見方が強い。証券業界では、2Qの半導体部門の営業利益が80兆ウォンを超え、引当金を除けば100兆ウォン近くに達した可能性も指摘されている。DS部門の営業利益率は80%前後との観測もある。
AIデータセンター向け投資の拡大を背景に、高帯域幅メモリー(HBM)だけでなく、汎用DRAMやNANDでも需給が逼迫し、平均販売価格(ASP)が急上昇した。iM証券は、2QのDRAMとNANDのASPがそれぞれ40%以上、60%台半ば上昇したと推計している。Counterpoint Researchによると、2Qのメモリー市場規模は前四半期比で60%以上拡大し、約350兆ウォンに達する見通しだ。
HBM事業の回復も業績を支えた。Samsung Electronicsは2月、世界初として第6世代HBM4の量産出荷を開始した。関連売上高は約4カ月で10億ドルを突破し、足元では12億ドル水準も超えたと伝えられている。
この製品は、NVIDIAが下半期に投入する次世代AIアクセラレータ「Vera Rubin」への採用が見込まれている。次世代品のHBM4Eについても、信頼性試験での歩留まりが70%以上まで改善したとされ、量産の安定段階に近づいたとの評価が出ている。
もっとも、好決算にもかかわらず株価は急落した。7日午前の取引で、Samsung Electronicsは5.90%、SK hynixは4.40%下落。KOSPIも一時6%安となり、サイドカーが発動された。市場では、想定以上の好業績そのものよりも、短期的な利益確定売りが優勢になったとの見方が出ている。
背景には、年初来でKOSPIが91%上昇し、主要国市場の中でも高いリターンを記録していたことによる利食い圧力の強まりがある。5月末に登場した単一銘柄レバレッジ商品の存在が、相場変動を拡大させたとの指摘もある。
市場の焦点は、下半期のメモリー価格動向に移りつつある。証券業界では供給不足が当面続くとの見方が多い。iM証券は、3QのDRAMとNANDのASPがそれぞれ15~20%追加で上昇する可能性が高いとしている。一方、スマートフォンなどIT機器向けメモリーは、価格上昇による需要鈍化を懸念する声も出ている。
このため、市場の関心は過去最高の業績そのものより、通期営業利益400兆ウォンの達成可否に向かっている。証券各社の予想レンジは広く、Daol Investment & Securitiesは422兆ウォン、BNK Investment & Securitiesは353兆ウォンを見込む。
下半期は、3QのDRAM・NAND価格交渉、HBM4の供給拡大、主要データセンター顧客との長期供給契約(LTA)の締結可否が業績の分岐点になる見通しだ。Samsung Electronicsは、確保した利益を龍仁国家産業団地や湖南圏などの生産能力拡大に充てる方針。詳細は30日のカンファレンスコールで明らかにする。