放送メディア通信審議委員会は7日、名誉毀損紛争調整部を9人体制に再編したと発表した。改正「情報通信網利用促進および情報保護などに関する法律(情報通信網法)」の施行に合わせ、大規模プラットフォームによる違法・虚偽操作情報への措置を巡る紛争も調整対象に加える。
今回の再編は、同日施行された改正情報通信網法に基づくもの。既存の委員5人に専門家4人を加え、新たな体制を整えた。
再編後の紛争調整部は、名誉毀損などの権利侵害に加え、違法情報や虚偽操作情報に対して大規模プラットフォームが講じた措置に関する紛争も扱う。
改正情報通信網法第44条の12では、大規模プラットフォームに違法情報または虚偽操作情報が通報された場合、当該プラットフォームが自主基準に基づき、削除やアクセス制限、収益化制限などの措置を取ることができると定めた。通報者と投稿者は、こうした措置を巡って放送メディア通信審議委員会に紛争調整を申請できる。
措置義務の対象となる大規模プラットフォームは、1日当たりの平均利用者数が100万人以上の事業者で、7月中に施行予定の情報通信網法施行令案に基づいて定められる。対象事業者は、放送メディア通信委員会の議決を経て確定する。
プライバシー侵害や名誉毀損の被害が発生した場合に、相手方の利用者情報の提供を請求できる要件も緩和された。これまでは民事・刑事訴訟を目的とする場合に限られていたが、今後は放送メディア通信審議委員会への紛争調整の申請を目的とする場合にも請求できる。
放送メディア通信審議委員会は、虚偽操作情報が行政審議の対象に含まれるとの懸念についても、「情報通信に関する審議規定」の改正で対応する方針を示した。改正情報通信網法第44条の7は、放送メディア通信審議委員会の審議と放送メディア通信委員会の行政命令の対象を違法情報に限定しており、虚偽操作情報は審議対象から除外している。
同委員会は今後、この内容を審議規定に反映し、表現の自由への萎縮効果や制度運用の混乱を防ぐ考えだ。
放送メディア通信審議委員会は、「今回の法改正は、プラットフォームの社会的責任を高めるとともに、紛争調整の活性化を通じて利用者の権利保護に向けた制度的基盤を整えた点に意義がある」と説明。「国会の立法趣旨に沿って紛争調整制度を実効性高く運用し、国民の表現の自由が十分保障されるよう、均衡の取れた制度運営に努める」とした。