SoftBank、OpenAI、Oracleが共同で進めるAIインフラ計画「Stargate」(写真=OpenAI)

OpenAIが進める英国のAIデータセンター計画「Stargate UK」を巡り、主要候補地の現地確認を経ないまま計画が公表された可能性が、情報公開で開示された資料などから浮上した。英国政府が掲げた約300億ポンド規模の投資計画についても、確定済みの投資ではない推計が含まれているとの指摘があり、計画の実効性に疑問が広がっている。

GIGAZINEが6日(現地時間)に報じた。

Stargate UKは、OpenAIが米国で進める総額5000億ドル(約75兆円)規模のAIデータセンター計画「Stargate」の英国案件だ。米国ではAIインフラ拡張に向けた大規模データセンター整備が進む一方、英国案件はOpenAIがインフラ投資戦略を見直したことで、4月以降停止しているという。

英北東部ノース・タインサイドのコバルト・パークは、AI成長ゾーンに指定され、データセンターの有力候補地として浮上していた。ただ、情報公開請求で開示された資料によると、同用地を実際に訪問したことが確認された企業はNVIDIAのみだった。OpenAIと事業パートナーのNscaleについては、現地訪問の記録が確認されなかった。

地元では、事業発表が十分な事前調整を欠いたまま進んだとの見方も出ている。関係者の1人は、Nscaleが政府から一方的にStargate UK支援を求められ、計画の実現性が十分に詰められないまま発表が先行したと主張した。プロジェクト停止後には、その対応がサム・アルトマンCEOに委ねられたとも述べた。

地元政界からも同様の声が上がっている。ノース・タインサイド保守党のジョン・ジョンソン代表は「計画について何の説明もないまま突然発表された」と述べ、主要候補地に対してさえ事前協議がなかったと指摘した。

投資規模の根拠にも疑問が出ている。英国政府はAI成長ゾーンに約300億ポンドの投資が行われると発表したが、このうち100億ポンドには、資産運用会社Blackstoneが別途進めるデータセンター事業の規模が含まれているとされる。残る200億ポンドについても、確定した投資額ではなく、将来の民間投資誘致の可能性を織り込んだ推計だったと報じられている。

政府は具体的な算定根拠を公表していない。一方で、汚職監視団体「Spotlight on Corruption」からの照会に対しては、1.1GW規模のAI演算インフラ整備には約200億ポンドが必要だとの試算を示したという。必要額の試算を、あたかも実際の投資計画のように示したのではないかとの批判が出る背景だ。

こうした状況は、米国のStargate計画とは対照的だ。米国ではSoftBankが約束した100億ドル(約1兆5000億円)をすでに投資しており、10月に追加で100億ドルを投じる計画だという。

これに対し英国案件では、主要候補地の選定、地域との協議、投資計画のいずれも不透明なまま、大型投資の発表だけが先行した点が論争の中心となっている。業界では、Stargate UKは単なる日程の遅れではなく、事業の枠組みそのものを見直す段階に入ったとの見方も出ている。OpenAIのAIインフラ拡張戦略が、英国でも実際の投資とデータセンター建設につながるのかが注目される。

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