ビットコインマイナーの収益環境と売り圧力を示す複合指標が、2026年に入り歴史的な低水準まで低下した。オンチェーン分析では、過去にビットコイン相場の循環的な転換点と重なった水準に近づいているとの見方が出ている。
ブロックチェーンメディアのCoinPostが6日(現地時間)に伝えたところによると、オンチェーン分析者のガア・イム氏は、この指標が過去の基準でみてビットコイン価格の周期的な底値圏と重なる水準まで下がったと説明した。
注目されているのは「マイナー・サイクル・ストレス複合指数」だ。マイナーの日次収益が過去1年平均に対してどの水準にあるかを示す「プエル・マルチプル」と、マイナーの売り圧力を示す「マイナー・キャピチュレーション指数」を反転させた値を組み合わせて算出する。
ガア・イム氏は、両指標がそれぞれ異なるコスト構造やキャッシュフローの前提を反映していると説明。そのうえで、2つが同時に低下する局面は、単一の指標よりも強いシグナルになり得るとした。
同氏は、今回の低下を単なる収益性の悪化にとどまらない動きとみている。マイナーの収益環境と売り圧力が同時に悪化する局面は、これまでビットコインの周期的な底値に近い場面で確認されてきたという。
具体例として、2015年、2018年、2020年、2022年、2024年を挙げ、いずれもビットコインの底値形成に近い時期だったと指摘した。
とりわけ、同指標がゼロ水準まで低下したのは、ビットコインの歴史上では2015年の1度だけだったという。当時は1週間足らずの間に、価格が300ドル前後から160ドル前後まで約50%急落したとしている。
ガア・イム氏は、2026年に入ってからもこれに近い動きが再び確認されたと言及した。
今回の指標悪化は、足元のビットコイン相場とも重なる。ビットコインは2025年10月に付けた過去最高値(ATH)の12万6000ドル以降、下落基調が続き、2026年6月末には一時5万8000ドル台まで下落した。
これは約21カ月ぶりの安値水準に当たる。ビットコイン価格の下落はマイナー収益を直接圧迫するため、複合指標の低下も相場軟化と歩調を合わせて進んだとみられる。
市場では、マイナー関連の指標を短期的な価格変動に先行しやすい健全性指標として捉える見方がある。今回も焦点となっているのは価格そのものではなく、マイナーのキャッシュフローと売り圧力が同時に圧迫されている点だ。
ガア・イム氏は、「同時に低下する局面」こそが、より強い根拠になるとしたうえで、現在の水準は過去に「割安」と分類された領域に入ったと評価した。
もっとも、この指標が直ちに相場反発を保証するわけではない。過去の急落局面に近いストレスシグナルが点灯しており、マイナーの収益環境が大きく悪化していることを示す段階にある。
このため市場では、今後のビットコイン価格の動向に加え、マイナーの売り圧力や収益性が回復に向かうかどうかが次の注目点になるとみられている。