Starlinkの衛星インターネットサービス(写真=Shutterstock)

SpaceXが2025年12月から2026年5月までの6カ月間に、Starlink衛星260基を大気圏再突入で処分していたことが分かった。米連邦通信委員会(FCC)に提出した第1世代・第2世代Starlinkの半期報告書で明らかになった。運用を停止した349基についても、今後数日から数カ月の間に順次処分する見通しだ。

この内容は、7月1日付でSpaceXがFCCに提出した報告書に記載されたもので、6日付のオンラインメディアGigazineが報じた。

処分した260基の内訳は、第1世代が176基、残り84基が第2世代。同じ報告期間中に運用を停止した衛星は349基に上った。Starlinkは1万基超の衛星群を運用しており、衛星を継続的に軌道離脱させている。

SpaceXは、寿命を迎えた衛星を制御下で降下軌道に投入し、大気圏内で完全に焼失させる方式を採用している。第1世代衛星の重量は約260〜295kg、第2世代は約800〜1250kg。回収は技術的な難度が高く、コスト負担も大きいため、現時点では再突入による処分が事実上の標準となっている。

一方で、地上への落下物をほとんど残さない半面、大気への影響を懸念する声は強い。研究者の間では、追加調査や規制の必要性を求める指摘が出ている。

FCCはこれまで、衛星を環境審査の対象外として扱ってきた。現在は衛星運用を「域外活動」と位置付け、国家環境政策法の適用対象から除外する案も正式に提案しているが、承認には至っていない。

SpaceXは、低軌道での衛星増強計画も維持している。今後、低軌道に最大4万2000基のStarlink衛星を配備する計画だ。

今年1月には、第2世代衛星7500基の追加配備について承認を取得した。あわせて、120kW規模の演算能力を持つ軌道上データセンター「A1」計画も公表しており、関連衛星の生産に向けて、延べ床面積1100万平方フィートの「Gigasat」製造施設を建設中としている。

報告書には、衝突回避の運用状況も盛り込まれた。SpaceXは、衝突確率が1000万分の3を超えた場合に回避機動を実施する基準を適用しているという。

同社はこの基準について、一般に参照される1万分の1の水準より約100倍厳しいと説明した。この基準に基づき、報告期間中の推進機動は第1世代が6万5137回、第2世代が14万2015回に達した。衛星1基当たりでは、年間換算でそれぞれ約36回、約46回に相当する。

軌道離脱に失敗した事例もあった。第1世代の「Starlink-34343」と「Starlink-36253」では、ハードウェア故障が疑われる問題が発生した。

SpaceXは原因となった部品を特定し、今後の設計から除外するとしている。第2世代でも同様の理由による故障が2件報告されており、設計変更で対応する計画だ。

また同社は報告書で、他の衛星運用事業者にも同水準の情報開示を求めた。「自社だけの努力では長期的な宇宙の持続可能性は維持できない」とした上で、米国外で免許を取得していても米国内でサービスを提供する事業者を含め、すべての運用者が衛星の状態を公開すべきだと主張した。

Starlinkの大規模な増強計画と、高頻度の衛星処分、衝突回避運用が並行して進むなか、衛星運用の透明性や環境規制の範囲を巡る議論は今後も続きそうだ。

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