ビットコインが米独立記念日の連休中に6万3000ドル台を回復し、暗号資産市場が持ち直した。6月を通じて続いていた現物ETFからの資金流出が純流入に転じたことに加え、弱い米雇用指標を受けて追加利上げ観測が後退し、投資家心理の改善につながった。上昇率ではビットコインをアルトコインが上回った。
ブロックチェーンメディアのDecryptが6日(現地時間)に報じたところによると、ビットコインは直近1週間で約5%上昇し、6万3000ドルを回復した。同期間にイーサリアムは12%高の1770ドル、ソラナは11%高の81ドルとなった。
個別では、HYPEが12%高、Zcashが16%高と上昇した。時価総額上位20銘柄の値動きを示すCMC20指数も約9%上昇した。
アルトコインではLITの上昇が目立った。Robinhoodとの連携後、週間で44%上昇し、2.50ドルで過去最高値を更新した。市場全体でリスク選好が戻り、ミームコインや一部のソラナ基盤トークンにも買いが広がった。
ANSEMは1週間で300%急騰し、完全希薄化後評価額(FDV)ベースで3億5000万ドル(約525億円)規模に拡大した。これにより、時価総額上位100トークンに新たに加わった。
相場反発の背景としては、米雇用指標とETFの資金フロー改善が挙げられる。6月の米非農業部門雇用者数は5万7000人増と、市場予想の約11万3000人増を大きく下回った。これを受けて追加利上げ観測が和らぎ、リスク資産への投資心理が改善したとの見方が出ている。
現物ビットコインETFは2日に2億2350万ドル(約335億円)の純流入を記録した。6月に40億ドル(約6000億円)超の資金が流出した後としては、目立った資金流入となった。
現物イーサリアムETFも、1日に約1500万ドル(約22億円)、2日に2900万ドル(約44億円)の純流入となり、2日連続で資金が流入した。
Decryptは、ETFの資金フローが再びプラスに転じたことについて、強気派が待ち望んでいたシグナルだと評価した。機関投資家による売り圧力が徐々に和らいでいるとの見方も示している。実際、ビットコインは月初に5万7950ドルまで下落し、約21か月ぶりの安値を付けたが、その間に大口投資家が約167億ドル相当のビットコインを追加購入したとの集計もある。
ビットコイン関連銘柄も反発した。Strategyエコシステム銘柄のSTRCは1週間で21%上昇し、87.87ドルで取引を終えた。MSTRも同期間に21%上昇し、再び100ドル台を回復した。
もっとも、市場ではトレンド転換を断定するのは時期尚早との見方もある。ビットコインETFは日次では純流入に転じたものの、週次ベースではなお5億2700万ドル(約791億円)の純流出だった。イーサリアムETFも週次では約1300万ドル(約20億円)の純流出を記録した。
Decryptは、1〜2日の純流入だけで、記録的だった1カ月間の資金流出が巻き戻されたとみるのは難しいと指摘し、今後も資金流入が続くかを見極める必要があると伝えた。
アルトコインがビットコインを上回る上昇を示した点も、市場では注目材料となっている。Decryptは、アルトコイン優位の値動きは典型的なリスク選好局面のシグナルだと分析した。米国市場の流動性が連休明けに本格回復した後も、この流れが続くかが次の焦点となる。
個別プロジェクトでは値動きの荒さも続いた。Summer Financeは週末にエクスプロイトを受け、約600万ドル(約9億円)の被害が出た。VVVは持分に関する発表を受けて約20%下落した。
NFT市場では、CryptoPunksのフロア価格が32.4ETHと約4%上昇した。投資家のダニエル・サンドハイム氏は直近1週間で約220万ドル(約3億3000万円)を投じ、CryptoPunksを22体購入した。
イーサリアムの開発面でも動きがあった。ビタリク・ブテリン氏は「Lean Ethereum」ロードマップを公開し、今後3〜4年で再帰型STARKベースの検証体系と耐量子暗号技術を導入する案を示した。2030年までに拡張型の状態構造を構築し、一部取引コストを10分の1超引き下げる目標も明らかにした。
市場では、ETFへの資金流入が継続するかに加え、個別プロジェクトの技術開発や投資フローが今後の暗号資産市場の方向性を左右する主要な変数として注視されている。