ドナルド・トランプ米大統領は7日、政府の児童向け税制優遇投資口座にBitcoinを組み入れる可能性に言及した。制度として正式に決まったわけではないが、政府主導の投資制度で暗号資産の活用に触れたことで、市場は敏感に反応した。
CoinPostによると、トランプ大統領は同日、ホワイトハウスで開かれた「トランプ口座」の発足イベントで、児童向け投資口座にBitcoinを組み入れる可能性について問われ、「何かが起こるかもしれない」と述べた。具体的な時期や計画には踏み込まなかったものの、暗号資産の採用可能性を否定しなかった。
この発言を受け、Bitcoin価格は約1.8%上昇した。市場では、単なる暗号資産支持の発言にとどまらず、政府レベルで暗号資産を活用する可能性を示すシグナルと受け止められた。
トランプ大統領はイベントで、暗号資産に前向きな姿勢を改めて打ち出した。「私は暗号資産を強く支持する。米国がやらなければ中国がやる」と発言。「多くの人が暗号資産を好んでいることが分かった。Bitcoinに巨額の資金が流入するのも見た」とも述べ、Bitcoinの成長余地に期待を示した。
「トランプ口座」は、トランプ大統領が2025年に署名したOBBBA法に基づいて導入された児童向けの税制優遇投資口座だ。米財務省はこれを「530A口座」と呼んでいる。
口座は7月4日に正式に開設された。対象は2025年1月1日から2028年12月31日までの間に生まれた米国市民の子ども50万人以上で、政府が初期資金として1000ドルを一括支給した。年間拠出上限は5000ドルで、資金は18歳まで引き出せない。18歳到達後は個人退職口座(IRA)へ自動的に転換される。
現時点で、この口座にBitcoinを実際に組み入れるかどうかは決まっていない。ただ、制度設計の段階で暗号資産の組み入れ可能性が公に言及されたのは今回が初めてで、市場では一定の意味を持つとの見方も出ている。
一方、トランプ大統領の家族が関与する暗号資産事業も改めて論争の的となっている。米政府倫理局が最近公表した資産開示報告書では、家族が運営するWorld Liberty Financialと連動するBitcoinおよびEthereumの保有規模が巨額に上ることが明らかになった。
これを受け、大統領とその家族の暗号資産事業が政府の政策判断に影響を及ぼし得るとして、利益相反を巡る議論も再燃している。米議会では、暗号資産市場を包括的に規律するクラリティ法案に加え、公職者のデジタル資産保有や倫理規定についても議論が進んでいる。
トランプ大統領は「子どもたちとこの件を議論したことはない」と述べ、家族の事業とは距離を置く姿勢を示した。ただ、児童向け投資口座の具体的な資産構成や暗号資産の採用有無に加え、大統領一家を巡る利益相反の問題は、今後も主要な論点になりそうだ。