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米上院で審議されている暗号資産市場構造法案「CLARITY法案」の採決が、8月6日へ先送りされた。法執行機関による反対論は一部で和らいできたものの、ドナルド・トランプ大統領のミームコイン収益を背景とした公職者の利益相反規制が、なお最大の争点として残っている。

ブロックチェーン関連メディアのCoinpostやCryptoSlateなどの報道によると、7月4日に節目とされていた期限を過ぎても、上院内では主要論点を巡る合意に至っていない。上院は夏季休会中で、議会が7月13日に再開した後に交渉がまとまれば、7月20日を含む週に本会議採決が行われる可能性がある。

焦点の一つが、第604条として盛り込まれた「ブロックチェーン規制明確化法(BRCA)」だ。利用者資金を直接管理しないソフトウェア開発者やインフラ提供事業者について、銀行秘密法に基づく送金業者としての責任を免除するセーフハーバー条項に当たる。もっとも、対象外の行為や、犯罪収益の洗浄を目的とした資金移動については、従来通り責任が問われる。

法執行機関側では、姿勢の変化も出ている。全米黒人法執行幹部協会(NOBLE)はBRCAを含む法案全体への支持を表明し、主要な法執行機関団体として初めて賛成に回った。NOBLEは、同条項は既存の刑事上の権限を変更せず、マネーロンダリングや無許可送金業者に関する法規制にも影響しないとしている。

全米郡保安官協会(MCSA)も、反対から中立へと立場を修正した。ただ、MCSAは法案になお強化の余地があると指摘しており、業界内ではこの過程でBRCAが修正され、内容が弱められる可能性を懸念する声も出ている。

一方、倫理規定を巡る隔たりは埋まっていない。トランプ大統領の財務開示文書には、昨年の暗号資産関連収入が10億ドル超(約1500億円)と記載され、このうち6億ドル超(約900億円)がミームコイン「TRUMP」によるものだった。民主党のカースティン・ギリブランド上院議員は、大統領や議員、さらにその配偶者によるデジタル資産の発行・支援を禁じる倫理規定の導入を改めて求めた。

これに対し、暗号資産カストディ企業BitGoのマイク・ベルシェ最高経営責任者(CEO)は、倫理規制は暗号資産に限らず、すべての資産クラスに同じ基準で適用されるべきだと反論した。ルベン・ガイエゴ上院議員とアンジェラ・アルソブルックス上院議員も、トランプ大統領の財務開示に強い反応を示しており、本会議採決前に実効性のある倫理面の合意がなければ支持は難しいとの立場を示している。

共和党が限定的な倫理条項の修正を受け入れれば、民主党側にもBRCAのセーフハーバー規定を受け入れる余地が広がる可能性がある。逆に、倫理規定を巡る対立が長引けば、CLARITY法案は休会後も本会議の審議時間を確保しにくくなるおそれがある。

今回の法案審議では、暗号資産開発者の責任範囲をどこまで明確化するかという技術的な論点と、公職者の利益相反をどう規制するかという政治的な論点が、同じ法案の中で正面からぶつかっている。法執行機関の反対が一部で後退したことで、上院審議の焦点は技術論から倫理規定へと移っている。

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