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世界の自動車メーカーが、需要低迷を受けて非車載分野への事業拡大を急いでいる。蓄電システムやドローン、ヒューマノイドロボットなどに製造力を振り向け、AI時代の新たな収益源の確立を狙う動きが広がってきた。

象徴的なのがTeslaだ。イーロン・マスク氏は2021年、同社を単なる自動車メーカーではなく、ロボタクシーの運営やヒューマノイドロボット「Optimus」の開発を手掛けるAI企業として位置付けた。同じ年には、現代自動車がヒューマノイドロボット企業のBoston Dynamicsを買収している。

The Informationによると、こうした自動車メーカーの事業転換は足元で一段と加速している。

GMは、電力網やAIデータセンター向けの定置用ESS向け電池事業に乗り出す。2028年には初のシステム供給を予定している。

TechRadarによれば、GMはエネルギー貯蔵企業Peak Energyと提携し、電力会社やデータセンター、大口需要家向けの定置用蓄電システムに使うナトリウムイオン電池セルを生産する計画だ。

Peak Energyは、GM製セルを自社の蓄電システムに採用し、電力会社や大口需要家に供給する方針だ。車載電池を中心としてきたGMの戦略が、定置用蓄電分野へ広がる事例とみられている。

GMとPeak Energyは、ナトリウムイオン電池がリチウムイオン電池より広い温度帯で動作するとみている。電力網向けの大規模蓄電設備でコスト負担の大きい冷却インフラを省ける可能性があるという。

Teslaは定置用蓄電事業ですでに実績を積み上げている。直近では、第2四半期の定置用ESSバッテリー設置量が前年同期比41%増だったと明らかにした。

非車載分野への展開は、他の国・地域の自動車メーカーにも広がっている。フランスのRenaultは自国軍向けドローンの製造を始め、中国のBYDはヒューマノイドロボット市場に参入した。

こうした事業が将来の収益の柱に育つかはなお不透明だ。ただ、世界の自動車産業が縮小圧力に直面する中でも、各社は従来の事業モデルにとどまっていないとThe Informationは伝えている。G2 Venture Partnersのニール・メフタ氏は「すべての企業が、フィジカルAIとAIインフラ投資の拡大による恩恵を取り込もうとしている」と述べた。

Fordも、新たに参入した電池事業で一定の評価を得ている。

Fordはミシガン州とケンタッキー州で、AIデータセンターや電力網向けの大型定置用ESSを生産する工場を建設している。こうした取り組みは、AIブームを取り込む戦略として投資家の関心を集めており、5月のエネルギー事業部門の発表後、2週間で株価が45%上昇した局面もあった。

Electrekによると、Ford Energyの主力製品は、20フィートコンテナ型の標準化バッテリーシステム「DCブロック」だ。容量は5.45MWhで、リン酸鉄リチウム(LFP)の角形セルを採用し、熱安定性と長寿命を訴求している。

マイナス35度から55度までの環境で動作可能とし、液冷式の熱管理システムを組み合わせることで、20年以上の性能維持を目指す。初回の顧客向け引き渡しは2027年下期を予定している。

中国の電気自動車スタートアップも、Teslaと同様にヒューマノイドロボットを新たな成長分野と位置付けている。BYDはヒューマノイド開発に着手し、Li Autoも年初にヒューマノイドを生産する計画を発表した。

2023年にヒューマノイド市場への参入を公表していたXpengは、2027年に商用ロボット「Iron」の販売を始める計画だ。

バッテリー分野に比べると、ヒューマノイドロボット市場の立ち上がりにはなお時間がかかる見通しだ。一方で、こうした事業転換そのものを前向きに評価する見方もある。G2 Venture Partnersのニール・メフタ氏は、バッテリー事業はすでに成果が出始めている一方、ロボットの大規模商用化にはより長い時間が必要だと指摘。その上で、自動車メーカーが電池やロボットといった新技術領域に事業を広げること自体が、一部企業の企業価値を大きく押し上げる可能性があると語った。

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