Perplexityは6月18日(現地時間)、AIエージェント「Computer」に記憶機能「Brain」を搭載したと発表した。過去の実行履歴やユーザーによる修正内容を蓄積し、次回以降の作業に反映することで、反復性の高い業務の効率と精度を高める。提供はMaxおよびEnterprise Maxの契約者向けで、研究プレビューとして公開する。
ブロックチェーンメディアのDecryptによると、Brainの導入により、反復業務における回答精度は25%向上し、メモリー性能は16%改善した。文脈依存性の高いタスクでは、コストを13%削減したという。
Brainは、ユーザーの氏名や嗜好といった個人情報ではなく、エージェントが実際に行った作業の記録に重点を置く。Computerはタスク完了のたびに、使用したコネクター、有効だった情報源、ユーザーが加えた修正、失敗した試行などを「コンテキストグラフ」に記録する。
これらのデータは主に夜間に統合され、個人用のLLM wikiが更新される。次のタスクを始める前に、その更新内容をエージェントの実行環境に読み込む仕組みだ。
PerplexityはBrainについて、「Computerが毎回ゼロから始めるのではなく、プロジェクトや意思決定、情報源に関する文脈を引き継いだ状態で作業を開始できる」と説明した。さらに、「各メモリーはセッション、ファイル、情報源にひも付いており、何が保存されたかをユーザーが確認し、管理できる」としている。
保存されたメモリーは、サイドバーの「Customize」から確認できる。料金はMaxが月額200ドル。提供形態はMaxおよびEnterprise Max契約者向けの研究プレビューとなる。
もっとも、Perplexityが示した性能指標は外部ベンチマークではなく、自社の初期評価に基づくものだ。すでに一度処理したことのあるタスクで改善が目立った一方、Brainは基盤モデルそのものを高度化する機能ではない点も明確にした。
例えば、金融リサーチで得た知見を、そのままコーディング作業に汎用的に転用するといった一般化は、なお未解決の領域だとしている。
Decryptは今回の取り組みについて、AIメモリーの焦点をユーザー情報から実務上の記録へ移した事例と位置付けている。Perplexityが照準を合わせるのは、競合モニタリングや週次レポート、過去の実行結果を継続的に参照する調査業務など、反復性と連続性の高いタスクだ。
Perplexityは、こうした業務ではComputerが毎回同じ作業をゼロからやり直さずに済むと強調した。
一方で、データ制御の範囲は限定的だ。コンテキストグラフ、個人用LLM wiki、セッション記録はいずれもPerplexityのインフラ上に保存される。ユーザーは保存内容を確認できるものの、データを自ら保有・完全管理する仕組みではない。
この点についてDecryptは、自社ハードウェア上でデータを保管し、全面的に管理できるセルフホスティング型ツールとの差異にも言及している。
PerplexityはBrainを「継続学習型のメモリーシステム」と位置付ける。Computer上の各タスクがBrainの構築するコンテキストグラフに接続され、実行を重ねるほどComputerが文脈を持って動作できるようになるとしている。追加機能も近く投入する予定だが、具体的な時期は明らかにしていない。