ビットコインは16日、米国株が上昇する中でも軟調な値動きとなり、6万6000ドル台へ下落した。米国とイランの合意期待を背景に株式市場ではリスク選好が戻った一方、原油は下落。ビットコインはこうした流れに追随できず、相場の戻りが続くかどうかに市場の視線が集まっている。
Cointelegraphによると、この日の米国株は上げ幅を広げたのに対し、ビットコインと国際原油はそろって軟化した。
TradingViewによると、ビットコインは直近約2週間の高値圏から反落し、6万6000ドル台まで水準を切り下げた。米国とイランの和平合意への期待が強まったことで、株式市場ではリスク回避姿勢が後退。S&P500種株価指数は1.5%超上昇し、米国産WTI原油は約3カ月ぶりの安値を付けた。
Mosaic Asset Companyは、米国とイランの和平合意を巡る報道はこれまでにも繰り返されてきたとした上で、今回は両国および交渉関係者が合意を確認している点に注目した。市場では、地政学リスクの緩和観測が株式には追い風となる一方、原油には下押し材料として意識された格好だ。
ただ、ビットコインはこうしたリスク資産高の流れに乗り切れなかった。市場では、短期的な反発が続いても上値余地は限られるとの見方が出ている。アナリストのダン・クリプト・トレードは、ビットコインが従来のレンジ内へ戻したと評価。一方、ロマンは反発が一巡する水準として7万ドルを注視していると述べた。
短期的な上値に慎重な見方もある。アナリストのレナルト・スナイダーは、上位足では売りゾーンに入りつつあるとして、この日の目標価格に6万8000ドルを提示した。6万3600ドルを下回る水準には大きな流動性がある一方、より良い戻り売りの好機を得るには、その前にもう一段の上昇があった方が望ましいとの見方を示した。
一方で、足元で再び下落局面に入るとの見方は行き過ぎだとする声もある。暗号資産アナリストのキラは、マーケットメイカーや取引アルゴリズムがトレーダーを一段安の思惑へ誘導した可能性があるとして、「典型的な市場心理戦」と表現した。板情報では下値に注文が目立っており、一部では急落よりもショートの清算を伴う反発の可能性を指摘する向きもあるという。
CoinGlassによると、過去24時間の暗号資産市場で清算されたショートポジションは2億3000万ドルだった。短期的には下落に賭けたポジションの一部が整理され、価格の持ち直しにつながったが、市場参加者の多くはこれを本格的なトレンド転換とはみていない。
こうした中、市場の焦点は戻り局面でどこまで高値を切り上げられるか、そして6万ドル台の下値支持が機能するかに移っている。別の市場分析では、6万ドルが長期サポートとして十分に強いかどうかに疑問も出ていた。今後は、ビットコインが米国株の強さと再び歩調を合わせるのか、それとも6万8000〜7万ドル近辺で改めて売り圧力に直面するのかが、短期の方向感を左右しそうだ。