a16z Cryptoの集計で、トークン化商品市場では金がほぼ市場全体を占めていることが分かった。市場規模は約51億ドルで、このうちトークン化金は約50億ドルと、全体の98%を占めた。ブロックチェーンメディアのCryptopolitanが23日(現地時間)に報じた。
銀などその他の商品を合わせた規模は5760万ドルにとどまった。商品分野では金への集中が際立っており、原油、農産物、エネルギー、コンピュート・トークンの構成比は限定的だった。
ステーブルコインを除くトークン化資産市場全体は、足元で340億ドル規模に拡大した。2024年半ばには30億ドル未満だったが、米国でステーブルコイン関連法のGENIUS法が成立して以降、市場拡大が加速した。
市場成長をけん引したのは米国債だ。米国債を裏付けとするトークン化資産は、遊休化したステーブルコインの運用先として使われるとともに、伝統的なマネーマーケット並みの利回りを得る手段として活用された。債券は152億ドルで最大のトークン化資産クラスとなり、BlackRockやFranklin Templetonなどの資産運用会社が需要を取り込んだ。
資産クラスごとの成長速度にも差が出た。資産担保型クレジットは、初のオンチェーン記録から185日で10億ドルに到達した。内訳には、トークン化住宅担保信用枠ローンやローン・ボルトトークンが含まれる。スペシャルティ・ファイナンスは、トークン化再保険契約とビットコイン採掘ノートを中心に、2年足らずで10億ドルを突破した。一方、ベンチャーキャピタルとアクティブ戦略は10億ドル到達まで7年以上を要した。政府債務と商品は、おおむね2〜3年で10億ドルを上回った。
トークン化資産が載るブロックチェーン別では、Ethereumが157億ドルで最大だった。BNB Chainは40億ドル、Solanaは22億ドル、Stellarは17億ドル、Liquid Networkは15億ドル。XRP Ledger、ZKsync Era、Arbitrumもそれぞれ10億ドル前後と集計された。
もっとも、時価総額の拡大がそのままオンチェーン活用の広がりにつながっているわけではない。最大の資産クラスである債券でも、DeFiプロトコルで使われたのは供給量の約5%に当たる8億ドル程度にとどまった。貴金属のDeFi活用も低水準で、トークン化金の大半はプログラム可能な担保や他のアプリケーション内資産として使われるより、チェーン上で保有される傾向が強かった。
a16z Cryptoは、一部の資産はオンチェーンアプリケーション全体で自由に移転・活用される一方、別の資産はブロックチェーンを記録基盤として使うにとどまり、可搬性やコンポーザビリティが制限されているとみている。現在トークン化資産に分類されるものの相当部分は、厳密にはトークン化というよりデジタル化に近いとの見方も示した。
今回の集計は、トークン化資産市場が急拡大するなかでも、実需の中身は資産クラスごとに大きく異なることを示している。とりわけ商品分野では金への集中が鮮明で、市場全体の拡大は米国債が支えた。市場規模の拡大とオンチェーン活用度の間にあるギャップも、あらためて浮き彫りになった。