ビットコインを大量保有するStrategyのマイケル・セイラー氏は、ビットコインが強い支持帯に入ったとして、底打ちが近いとの見方を示した。価格見通しとあわせて、同社の長期保有戦略も改めて強調している。
米ブロックチェーンメディアCryptoPolitanが22日(現地時間)に報じたところによると、セイラー氏はインタビューで足元のビットコイン相場を「春の訪れ」に例え、底値圏の形成が近いと述べた。
ビットコインは直近6カ月で12万5000ドルから6万ドル台まで下落した。セイラー氏は4月上旬の時点でも、下値の目安を6万ドル近辺とみていた。背景として、マクロ環境の改善、利下げ期待、現物ETFへの資金流入を挙げた。
セイラー氏は、Strategyの長期保有方針についても改めて言及した。2140年までに新規発行されるビットコインをすべて買い取る可能性にまで触れ、機関投資家や企業の需要拡大に加え、デジタル資産を巡る信用市場の広がりを理由に挙げた。2140年は最後のビットコインが採掘されると見込まれている年だ。
Strategyは、上場企業として最大のビットコイン保有企業として知られる。保有量は84万BTCを超え、年初からだけでも10万BTC超を追加購入した。
もっとも、市場心理の弱さはなお残る。暗号資産市場全体の時価総額は2兆6000億ドルを下回り、24時間の取引高も750億ドル水準にとどまっている。恐怖・強欲指数は、相場下落後に投資家心理が再び恐怖圏へ戻ったことを示した。ビットコインは直近7日で約3%下落し、年初来では12%超下げた。記事作成時点の価格は7万6863ドルで、24時間取引高は253億ドルと前日比で7.5%減少した。
オンチェーン指標の一部は、こうした見方を下支えしている。Glassnodeによると、MVRVは市場価値と実現価値の比率を示す指標で、ビットコインの時価総額と保有者の総取得原価を比較し、相場の過熱感や割安感を測る際に用いられる。この比率が適正価値帯に近づく局面は、過去には弱気相場の終盤や蓄積局面と重なるケースが多かったという。
デリバティブ市場では、投機的なポジションが再び積み上がる兆しも出ている。Binanceにおけるビットコインの未決済建玉は、8カ月にわたるレバレッジ解消の後、再び180日移動平均を上回った。ただ、レバレッジリスクは依然として高い。取引所データによると、ビットコイン価格が7万3655ドルを下回れば、ロングポジションの累計清算額は15億ドルを超える可能性がある。
一方で、セイラー氏の「絶対に売らない」という姿勢を巡る議論も続いている。Strategyはこれまで、転換社債や優先株の発行を通じてビットコイン購入資金を調達してきた。配当原資の確保を目的にビットコインの一部売却を促す声もあり、批判が出ている。
今回の発言では、短期的な価格見通し以上に、Strategyが長期保有戦略を改めて前面に押し出した点が焦点となった。市場心理が冷え込むなかでも、企業による保有拡大とデリバティブ市場でのポジション変化が同時に進んでいることが浮き彫りになっている。