2010年にピザ2枚の購入に使われた1万BTCの価値が、現在は約7億7300万ドル相当に達した。ビットコインの長期的な値上がりを象徴する出来事として、「ビットコイン・ピザデー」が改めて注目を集めている。
ブロックチェーンメディアのCoinPostが22日(現地時間)に報じたところによると、暗号資産アナリストのダークポストは、ビットコイン・ピザデーに合わせて、ビットコインの購買力の変化をまとめたデータを公開した。
ビットコイン・ピザデーは、2010年5月22日に米国の開発者ラズロ・ハニエツ(Laszlo Hanyecz)が1万BTCでピザ2枚を購入したことに由来する。ビットコインで実在する商品を決済した初期の事例として広く知られ、暗号資産の歴史を語る上で象徴的な出来事とされている。
当時の取引額は約41ドルで、ビットコインの価格は1BTC当たり0.004ドル前後だった。それから16年を経た現在、同じ1万BTCは約7億7300万ドル相当の価値を持つ計算になる。
この変化は、単なる価格上昇にとどまらない。ビットコインが黎明期の実験的なデジタル資産から、世界の投資家が注目する資産へと存在感を高めてきた過程を示す事例として受け止められている。
ダークポストは、ビットコインの実際の購買力の推移にも触れた。分析によると、20ドルのピザ1枚を1BTCで買えるようになったのは2013年1月31日で、最初のピザ取引から約2年半後には、1BTCの価値がピザ1枚分を上回ったことになる。
足元では、その差はさらに大きく広がっている。同じ基準で計算すると、現在は1BTCで約3865枚のピザを購入できる水準だという。
さらに、ビットコイン価格が過去最高値を付けた局面では購買力は一段と高まった。ダークポストは、昨年10月の高値時点では、1BTCで約6236枚のピザを買えたと説明した。
市場では、ビットコイン・ピザデーを単なる記念日以上の出来事として捉える見方もある。初期の利用者による実際の決済事例が、その後のビットコインの普及とデジタル資産市場の拡大を象徴しているためだ。
毎年5月22日が業界内で繰り返し取り上げられるのも、こうした背景がある。
ダークポストは現状について、「今の1BTCをピザ1枚に使うのは非合理的だ」と指摘した。一方で、「バナナ1本が600万ドル超で取引された例もある」とも述べ、希少性や象徴性が加われば、資産価値の評価基準は変わり得るとの見方を示した。
近年は、コンセプチュアルアートや希少な現物資産で高額取引が相次いでおり、市場が資産価値をどう評価するか、その尺度も広がっているとの認識を示した。
ビットコイン・ピザデーは、過去の逸話にとどまらず、デジタル資産がこの16年で急速に存在感を高めてきたことを示す象徴的な出来事として定着している。かつて41ドルだった取引が、いまでは7億ドル超の価値に換算される事実は、ビットコインの歩みと市場の評価変化を端的に物語っている。