写真=マイケル・セイラー氏公式サイト

Strategyのマイケル・セイラー会長は、ビットコインの価格形成が採掘による新規供給主導から、機関投資家の信用需要主導へ移りつつあるとの見方を示した。あわせて、ビットコインは長期的にS&P 500のリターンを上回り、2045年には1300万ドルに達し得るとの強気見通しを改めて示した。

BeInCryptoやThe Crypto Basicなどが21日(現地時間)に報じたところによると、セイラー氏は最近、ビットコイン市場の価格決定要因が、新規発行分の供給量から、構造化商品を通じた機関マネーの需要へと移行していると述べた。

同氏はこれを一時的な需給変動ではなく、市場構造の転換と位置付ける。これまではマイナーが市場に放出する新規供給が価格形成の主要因だったが、足元では機関資金とデジタル信用市場が新規発行分を吸収する枠組みが整いつつあるという。

その中核として挙げたのが、2025年7月に発行されたStrategyの優先株「STRC」だ。STRCの規模は発行から10カ月で約105億ドルに拡大し、このうち20億ドルは直近1カ月で発行されたとしている。

配当利回りは11.5%。株価が額面の100ドル近辺を維持するよう、利回りを調整する仕組みだという。

セイラー氏は、STRCについて、ビットコイン上昇の期待を信用投資家の収益に振り向け、その資金が再びビットコイン購入に回る構造だと説明した。Strategyは現在、約650億ドル相当のビットコインを保有しており、同氏は同社が今年、マイナーの生産量を上回るビットコインを買い入れたと強調した。

さらに同氏は、2140年までに採掘されるビットコインについても、Strategyが事実上その大半を買い入れる可能性が高いとの見方を示した。資本調達力と機関需要が価格を左右する市場へ移行しつつあるとの認識を示した格好だ。

長期の価格見通しについても強気姿勢を崩していない。CNBCの「Squawk Box」に出演したセイラー氏は、ビットコインが時間の経過とともにS&P 500を上回るリターンを生むと述べ、期待収益率として年30%を提示した。S&P 500の年平均リターン10%の3倍に当たる水準だとしている。

Google Financeによると、S&P 500は年初来で8%上昇した一方、ビットコインは12%下落している。

こうした前提を踏まえ、同氏はビットコインが2045年に1300万ドルへ到達し得るとの従来目標を再確認した。今後19年間に平均29%前後のリターンを確保できれば実現可能だと試算し、機関採用の拡大、政府レベルでの財務戦略導入、供給量が固定されている点を根拠に挙げた。

短期的な値動きについても前向きな見方を示した。セイラー氏は、ビットコインは足元の水準から再び上昇に向かうとし、6万ドルを下値支持線として意識していると述べた。

また、ビットコインは反発局面の初期段階にあるとし、現在の価格帯の下値の堅さに加え、追い風となるマクロ環境を上昇材料に挙げた。

政策面の変化にも言及した。米議会でのクラリティ法案の進展や、米証券取引委員会(SEC)によるイノベーション免除ガイドライン導入の可能性を材料視した。

同ガイドラインは、暗号資産ネットワークを基盤とする証券のトークン化を後押しする内容で、制度変更が市場価格を押し上げる可能性があるとの見方を示した。

一方で、STRCモデルの持続性には懐疑的な見方もある。Strategyのビットコイン取得に向けた資本調達とSTRC取引の拡大を背景に個人資金の流入は続いたが、この構造がどこまで拡大可能かを疑問視する声も出ている。

今後の焦点は、セイラー氏の構想通り、2028年の次回半減期までSTRCの拡大基調を維持できるかどうかだ。

今回の発言は、ビットコイン価格を採掘供給だけで説明するのが難しくなっているとの認識を前面に打ち出したものといえる。セイラー氏は、機関の信用需要と構造化商品を通じて購入資金が生まれる構造こそ、新たな価格決定要因だと訴えている。

もっとも、この見通しが実現するには、STRCを含む資本調達モデルが継続的に機能し、機関需要と政策環境が同氏の想定通りに推移することが前提となる。

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