ビットコインの値動きに警戒感が強まっている。写真=Shutterstock

ビットコイン市場で需要の減速が鮮明になっている。8万ドルを上値抵抗として跳ね返された後、現物需要とビットコイン現物ETFへの資金流入がそろって鈍化しており、8万ドルを下回る水準で持ち合いが長引く、あるいは一段安に向かう可能性が意識されている。

21日付のCointelegraphによると、買い需要の弱さを示す指標が悪化している。Capriole Investmentsのビットコイン名目需要指標は、1月中旬以来の低水準に落ち込んだ。

同指標は2025年12月22日以降、マイナス圏での推移が続いている。2月末にはいったん小幅に改善したものの、直近では-3138BTCまで再び低下した。地政学リスクやマクロ経済の不透明感を背景に、投資家のリスク回避姿勢が強まったことが影響したとみられる。

オンチェーン分析企業も、現物市場の地合いの弱さを指摘している。CryptoQuantは週次レポートで、ビットコインの総需要が減少に転じたと明らかにした。

Glassnodeも、ここ数週間にわたり取引所全体の現物累積出来高デルタがマイナス圏にとどまっていると分析した。価格が7万ドル台後半まで押し下げられる場面でも、現物市場では明確な買い戻しが確認できなかったとしている。

重荷となっているのは、ビットコイン現物ETFの資金動向だ。ETF保有量の30日変化率は約3カ月ぶりの低水準に落ち込み、資金フローも純流出へ転じた。

Glassnodeは、足元の価格帯では高値圏に接近する局面でも、現物需要が以前ほど積極的ではないと指摘する。CryptoQuantも、現物市場とETFフローが同時に悪化する局面では、安定した持ち合いよりも価格の弱含みが再開しやすいとの見方を示した。

もっとも、現時点で相場のトレンド転換を断定するのは時期尚早だという。ビットコインはマクロ的な安値とされる6万ドルから38%反発し、一時は市場の平均取得単価である7万8300ドルを上回る8万2800ドルまで上昇した。

この平均取得単価は、活発に取引されたビットコインの平均的な取得価格を追跡する価格モデルで、弱気相場と強気相場を分ける目安として使われる。

ただ、Glassnodeは、この水準の回復は相場構造の変化に向けた必要条件にはなり得るものの、それだけで強気相場入りを意味するわけではないとみる。強気局面への明確な移行には、この価格帯を維持した上で、需要の回復と追加の蓄積が必要だとしている。

過去にも、同様の局面が長引いた例はある。ビットコインは2021年3月から10月までの6カ月超、この平均線近辺で横ばいを続けた後、上昇トレンドを再開した。

足元の相場についても、短期的な反発だけで地合いが変わったと判断するのは難しいとの見方が強い。当面はレンジ相場が続くとの観測が広がっている。

このほか、別のアナリストは、先物市場での積極的な売り、個人投資家の活動鈍化、テクニカル面の弱さを追加のリスク要因として挙げた。こうした流れが続けば、ビットコインが今後数週間で6万5000ドルまで下落する可能性があるとの警告も出ている。

次の焦点は、7万8300ドル前後の重要な支持水準を維持・回復できるかどうかだ。あわせて、現物需要とビットコイン現物ETFへの資金流入が再び持ち直すかが、相場の方向性を左右しそうだ。

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