画像=ChatGPT

ハーバード大学基金の運用会社Harvard Management Company(HMC)が、2026年1〜3月期にイーサリアム(ETH)関連の保有をすべて手放したことが分かった。一方、ビットコイン(BTC)関連は一部売却したものの、主力ポジションは維持しており、機関投資家の間で暗号資産の選別姿勢が強まっているとの見方が出ている。

Cointelegraphの報道と米証券取引委員会(SEC)への提出資料によると、ハーバード大学基金は同四半期に、BlackRockのイーサリアム現物ETF「iShares Ethereum Trust」(ETHA)を約8700万ドル(約130億5000万円)分、すべて売却した。

HMCは2025年10〜12月期に初めてイーサリアムETFへの投資を開示していたが、取得から1四半期で全売却に踏み切ったことになる。この判断は市場の注目を集めている。

一方、ビットコイン関連の保有は縮小しつつも維持した。1〜3月期にビットコイン現物ETFを約230万株売却したものの、BlackRockの「iShares Bitcoin Trust」(IBIT)は300万株超を保有。開示ベースの保有額は約1億1700万ドル(約175億5000万円)となっている。

市場では、今回の見直しの背景として、イーサリアム価格の軟調さとエコシステムを巡る先行き不透明感が指摘されている。イーサリアムの価格は、2025年8月に付けた約5000ドルの高値から50%超下落した水準にある。

価格調整が長引くなか、Ethereum Foundation(EF)では組織再編と主要人材の流出が続いている。今年に入り、研究者のジュリアン・マ、カール・ビークがEFを離れたほか、公開情報ベースでは、2026年に入って主要人材8人が離脱したとされる。EFで長く活動してきたジョシュ・スタークも4月に退職した。

EFは3月に公表した運営原則で、分散化、プライバシー、オープンソース、検閲耐性を中核価値として掲げた。市場ではこうした理念を前向きに評価する声がある一方、競争が激化する局面で、市場シェア拡大に向けた戦略とのバランスを欠いているとの指摘も出ている。

暗号資産分野の記者ローラ・シンは、「EFの価値志向そのものには意義がある」とする一方で、「トークノミクスやネイティブ資産の価値維持にも、より注意を払う必要がある」と指摘した。さらに、「競合プロジェクトが市場シェア獲得に向け攻勢を強めるなか、EFは過去の実績に依存しているように受け取られかねない」との見方も示した。

今回のポートフォリオ見直しでは、機関投資家の資金フローの差も鮮明になった。ハーバード大学基金はイーサリアムのエクスポージャーをすべて解消する一方、ビットコインのエクスポージャーは維持したためだ。市場では、大手機関投資家が暗号資産市場のなかでも資産ごとの選好をより明確に分け始めた兆候と受け止められている。

今後は、EFの組織運営の安定化やエコシステム戦略の見直し、イーサリアム価格の持ち直しが、機関投資家マネーの流入にどう影響するかが焦点となる。

キーワード

#Harvard Management Company #ハーバード大学基金 #イーサリアム #ビットコイン #現物ETF #BlackRock #SEC
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.