ビットコインが200日移動平均線に上値を抑えられ、7万7000ドル前後まで下落した。市場では、足元の値動きが2022年3月の弱気相場と似た構図になっているとの見方が浮上している。
ブロックチェーンメディアのBeInCryptoが21日付で報じたところによると、CryptoQuantは現在のビットコイン相場について、2022年3月の弱気局面と非常によく似た構造にあると分析した。
ビットコインは4月の安値から約37%戻したものの、8万2400ドル近辺で上値の重さが意識された。その後は7万6000〜7万7000ドルへ急速に押し戻された。CryptoQuantは、2022年3月にも約43%反発した後、200日移動平均線に阻まれ、以後数カ月にわたって下落基調が続いたと指摘している。
CryptoQuantでリサーチ責任者を務めるフリオ・モレノ氏は、弱気相場では200日移動平均線が一時的な反発局面と、その後の下落トレンド再開を分ける境目として機能してきたと説明した。現在の相場も、そうした弱気局面の構造を示唆するテクニカルシグナルが出ているという。
需給面も重しとなっている。無期限先物市場では投機需要が8万2000ドル近辺で明確に鈍化したほか、ビットコイン現物ETFの資金フローも直近で純流入から純流出へ転じた。さらに、4月末以降はCoinbaseにおけるビットコイン価格のプレミアムがマイナス圏で推移しており、米国の現物需要が相場の支えとして弱いことを示している。モレノ氏は、持続的な強気相場ではこの指標がプラス圏で推移するのが一般的だとして、現状を弱気シグナルと位置付けた。
オンチェーン上の利益確定指標も警戒感を示している。未実現利益率は5月5日に17.7%まで上昇し、2025年6月以降で最高水準を付けた。CryptoQuantによれば、これは2022年3月の調整直前と同程度の水準だという。
先行きについては、大きく2つのシナリオが想定される。7万7000ドルの支持帯で反発すれば、いったん中間的な抵抗帯まで戻した後、再び下押し圧力が強まる可能性がある。一方、この水準を明確に割り込めば、今サイクルの安値更新を短期間で試す展開もあり得るとしている。
主要な支持線としては、オンチェーン指標ベースで7万ドル近辺がまず挙げられた。この水準はトレーダーのオンチェーン実現価格と重なる。さらに下値のめどとして、200日移動平均線の6万1400ドル、300日移動平均線の5万4500ドルも示された。下落基調が数カ月続く場合には、200〜300日移動平均線のゾーンが主要な底値圏になる可能性があるという。
投資家心理も冷え込んでいる。暗号資産の恐怖・強欲指数は29と、「恐怖」の領域にとどまっている。こうしたセンチメントの悪化は、市場の変動性や下方向への反応を一段と強める要因になり得る。
当面の焦点は、ETF資金フローの改善、オンチェーン需要の回復、そして価格が200日移動平均線を再び上回れるかどうかだ。各種指標が2022年と完全に同じ推移をたどると断定はできないものの、少なくとも足元は反発期待よりもリスク管理を優先すべき局面といえそうだ。