Microsoft(写真=Shutterstock)

Microsoftが、Anthropicに独自のAIチップ「Maia」を提供する方向で協議していることが分かった。実現すれば、MicrosoftにとってMaiaの初の外販案件となる可能性がある。AnthropicはAIサービスの利用拡大を背景に、計算資源の確保と調達先の多様化を進めている。

CNBCが21日(現地時間)に報じたところによると、両社はMicrosoftのカスタムAIチップ「Maia」の導入を巡って交渉している。

交渉がまとまれば、Microsoftにとって象徴的な案件となりそうだ。MicrosoftはAmazonやGoogleに比べ、特定用途のAI半導体の外販では後れを取っているとの見方がある。Microsoftは1月に第2世代のMaia AIチップを公開したが、Azure経由で外部顧客に提供した実績はまだない。

もっとも、契約は現時点で成立していない。事情に詳しい関係者によると、AnthropicはMaiaの導入についてMicrosoftと協議しているものの、最終合意には至っていないという。Microsoft株は同日、大きな値動きは見られなかった。

背景にあるのは、Anthropicの計算需要の急拡大だ。共同創業者兼CEOのダリオ・アモデイ氏は今月初めのイベントで、同社が計算資源の確保に苦慮していると説明した。年初以降、「Claude」とAIコーディングツール「Claude Code」の利用が増え、必要な計算資源も一段と膨らんでいるためだ。

Anthropicは大規模なインフラ投資計画も示している。20日に開示されたSpaceXの資料によると、Anthropicは2029年5月まで、計算能力の対価として月12億5000万ドルを支払う予定だ。Anthropicは学習と推論の両面でNVIDIA製GPUへの依存度が高く、調達先の拡大を進めている。

実際、Anthropicは4月、Amazon Web Services(AWS)の独自チップ「Trainium」を10年間で1000億ドル超規模の契約で利用すると表明した。2024年10月には、GoogleのTensor Processing Unit(TPU)を活用する計画も発表している。Microsoftとの交渉がまとまれば、AnthropicはNVIDIAに加え、複数の大手テック企業の独自チップを組み合わせて使う体制をさらに強めることになる。

両社はクラウド分野でも取引関係がある。Microsoftは2024年11月、Anthropicに50億ドルを投資すると発表し、AnthropicはAzureに300億ドルを支出することを約束した。Anthropicは同時にAmazonとGoogleのクラウドサービスも利用している。

一方、Microsoftは自社チップの競争力を継続的にアピールしてきた。サティア・ナデラCEOは4月の決算説明会で、「Maia 200」について「現在稼働している最新半導体と比べ、1ドル当たりのトークン処理量が30%以上改善した」と述べた。稼働先として、アリゾナ州とアイオワ州のデータセンターを挙げている。

今回の協議は、Microsoftが独自AI半導体を外部顧客の需要に結び付けられるかを占う材料になりそうだ。Anthropicにとっても、急増するサービス需要を支える計算資源をいかに安定的に確保するかが引き続き課題となる。

キーワード

#Microsoft #Anthropic #AI #AIチップ #Maia #Azure #NVIDIA #AWS #TPU
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.