Strategyの会長で創業者のマイケル・セイラー氏とビットコイン。写真=Reve AI

Strategyの創業者で会長のマイケル・セイラー氏は、金融資産のトークン化が信用供与と利回り形成の仕組みを大きく変え、銀行や証券会社が担ってきた仲介機能にも影響を及ぼし得るとの見方を示した。単なる取引効率の改善にとどまらず、金融市場の構造そのものを変える可能性があるとの認識だ。

米CNBCが5月21日(現地時間)、同氏のインタビュー内容を報じた。セイラー氏はトークン化の本質について、「信用と利回りの自由市場」を生み出す点にあると説明し、ブロックチェーンを基盤とする資産市場が既存の金融仲介の枠組みを代替し得ると述べた。

セイラー氏は「トークン化の真の力は、資産保有者のための信用と利回りの自由市場をつくることだ」と発言。「証券を広くトークン化できれば、投資家は最も有利な信用条件と高い利回りを直接比較して選べるようになる」と語った。

論点は、オンチェーン取引の拡大にとどまらない。ブロックチェーン業界では、株式や債券、ファンド、プライベートクレジットなどの実世界資産(RWA)をブロックチェーン上で扱う動きが広がっている。これまでは決済の迅速化や24時間取引の可能性が主な注目点だったが、セイラー氏は信用配分と資本の流れそのものが変わり得る点を強調した。

既存の金融システムとの違いについても触れた。セイラー氏は「20世紀型の伝統金融では、銀行が信用を供与しないと決めれば、個人にできることはほとんどない」と指摘。その上で、「トークン化は資本の自由市場を生み出し、資本回転と市場のボラティリティをさらに高める可能性がある」と主張した。

こうした発言が出たタイミングにも、市場の関心が集まっている。米議会では、暗号資産市場の構造を巡る「CLARITY法案」の議論が進んでおり、市場では法案が成立すれば、現実の金融資産をオンチェーンに移すための制度基盤が整う可能性があるとみられている。

規制環境の変化も重要な論点だ。米証券取引委員会(SEC)は今年、トークン化証券に関する見解を示し、トークン化された株式や金融商品が主流の金融市場に組み込まれる可能性に言及する一方、既存の証券法の適用対象であることを明確にした。業界では、トークン化資産が従来の証券市場と並行して取引される市場構造が生まれる可能性も指摘されている。

実際のサービスも一部で始まっている。Coinbase、Robinhood、Geminiなどは、一部顧客を対象にトークン化株式の取引サービスを試験的に提供している。ただ、市場全体への広がりは、今後の立法の進展やSECによる詳細な制度運用の方向性に左右されるとの見方が多い。

市場では今回の発言について、トークン化を単なるブロックチェーン技術の進化ではなく、銀行や証券会社が担ってきた信用配分と利回り形成の仕組みを再編し得る変化として改めて印象付けたとの受け止めが広がっている。

キーワード

#金融資産のトークン化 #トークン化証券 #ブロックチェーン #SEC #CLARITY法案 #RWA #Strategy
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.