ビットコインのイメージ。写真=Shutterstock

ビットコインは、機関投資家や個人投資家の買いが続いているにもかかわらず、長期保有の大口保有者(クジラ)の売りが重荷となり、明確に上抜けできない展開が続いている。

ブロックチェーンメディアのCryptopolitanが21日(現地時間)に報じたところによると、足元のオンチェーンデータでは、ビットコインの売り圧力の相当部分が長期保有のクジラから出ていることが示された。

週次ベースのビットコインの買い越し額は新規発行量を大きく上回っており、機関マネーの流入も増加傾向にある。Strategyは直近1週間で2万4869BTCを追加購入した。Alphractalのアナリストは関連データを基に、Strategyがさらに1万5000BTC超を買い増す余地があると推計した。

個人投資家と機関投資家の純買いも引き続きプラス圏にある。Alphractalは、個人需要が純流入を維持し、機関投資家の買いも続いていると指摘した。一方で、クジラのウォレットは持ち高を徐々に放出する局面に入っているという。ただ、個人・クジラのいずれにもパニック売りの兆候は見られず、需給の綱引きは続いているものの、相場が混乱している状況ではないとしている。

それでもビットコインは7万7113ドル前後で推移し、上値の重さが意識されている。強い買い需要があるにもかかわらず相場がはっきり反発しきれない背景には、長期保有者の売りが控えているとの見方がある。

市場では、現物ETFが有力な買い手として機能する一方で、一部の長期保有者にとっては売却の受け皿にもなっているとの見方が出ている。データ分析企業Whale Alertによると、7年以上ビットコインを保有していたウォレットの多くは、取引所で売却するのではなく、相対取引(OTC)を活用した。

これに対し、最も活発に売っていたのは保有期間が3〜5年のウォレット群だった。この層の保有比率は2025年末の13%から、足元では10%未満に低下した。

こうした動きは、機関需要がそのまま現物価格の上昇につながりにくい理由とも重なる。機関投資家が1カ月で吸収する5万BTC相当がOTC経由で供給されれば、取引所の現物市場に表れる需給の偏りは限られる可能性がある。Alphractalは、足元の取引構造について投げ売りのシグナルは見られず、狭いレンジ内で戦略的な売却と持ち高調整が続く局面だと分析した。

実際、年初来では保有期間が5年を超えるウォレットから約3万8400BTCが市場に放出された。ETFを中心に機関需要が流入するなかでも、長期保有者の売り圧力がなお残っていることを示している。市場では、ビットコインの保有主体がETFと長期保有のクジラの間で再配分される過程にあるとの解釈も出ている。

一方で、売りの鈍化を示す兆候も一部で確認された。2026年5月時点のCoin Days Destroyed(CDD)指標は、古いウォレットによる大規模な移動がおおむね一巡し、取引も低水準まで減少したことを示している。

もっとも、売り圧力が完全に解消したわけではない。Alphractalは、この構造が続く場合、ビットコインは7万8000〜8万2000ドルのレンジで推移する可能性があるとみている。古いクジラのウォレットは短期的な反発局面で、より高い価格帯で利益確定に動く傾向があり、取得単価も総じて非常に低いと指摘した。

足元の値動きは、クジラに典型的な戦略的売買パターンとも整合する。相場が横ばいの局面で買い集め、局地的な高値で分散して売却する手法だ。CryptoQuantの最近の分析でも、クジラが追加売却を準備しているシグナルが示された。新規の買い手は中央集権型取引所を選好する一方、5月18日には8063BTCが取引所に流入しており、次の短期反発局面に向けた分散売りの準備との解釈が出ている。

このため、ビットコイン相場の次の分岐点は機関買いの規模そのものよりも、長期保有のクジラによる供給がどの程度のペースで細っていくかに左右される見通しだ。ETFや企業による買いが続いても、古いウォレットの売りが残る限り、価格は当面レンジ内の推移にとどまる可能性が高い。

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