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米議会で、政府が保有するビットコインを戦略準備資産として位置付ける法案「ARMA」が提出された。財務省に対し、対象となるデジタル資産を最低20年間保有するよう義務付けるほか、押収・没収由来の資産を一元管理し、保有状況の透明性を高める内容となっている。

CoinPostによると、法案は共和党・民主党両党の議員17人が提出した。主導したのは共和党のニック・ベギチ下院議員で、法案名のARMAは「米国準備金近代化法案」を指す。

法案の柱は、連邦政府の各機関に分散している押収・没収由来のデジタル資産を、財務省の管理下に集約することだ。あわせて、準備資産の保有状況を示す報告書の提出を義務付け、政府保有資産の透明性向上につなげるとしている。

こうした法制化の動きの背景には、既存措置の限界がある。ドナルド・トランプ大統領は2025年3月、行政命令によってビットコイン戦略準備金を創設したが、行政命令だけでは政権交代や議会情勢によって方針が見直される可能性がある。

民主党側の主要な共同提出者であるジャレッド・ゴールデン下院議員は声明で、「法律上の根拠を設ければ、行政府の裁量による売却を防ぐことができる」と述べた。

今回の法案は、ビットコインの追加購入を義務付けるものではない。現在、米政府は世界の供給量の約1.6%に当たる約32万8000BTCを保有しており、その大半は押収・没収資産に由来するとされる。

ホワイトハウスのデジタル資産諮問委員会で事務局長を務めるパトリック・ウィット氏は4月のビットコイン関連会議で、資産保管インフラの整備が完了に近づいており、公式発表も近いとの見方を示した。一方で、新規購入は現時点の方針には含まれていないという。

スコット・ベセント財務長官も、政府機関による追加購入の可能性には否定的な立場を示してきた。ARMAも、あくまで既存保有分の維持と管理に軸足を置く内容で、市場で期待されてきた政府による大規模な買い増し観測とは距離がある。

同種の法案提出は今回が初めてではない。2025年3月にはバイロン・ドナルズ下院議員、同年6月にはティム・バーチェット下院議員がそれぞれ類似法案を提出したが、いずれも大きな進展には至らなかった。

このほか、政府に年間20万BTCの購入を認める別法案も提出されている。ただ、政治的な対立もあり、成立の見通しはなお不透明だ。

ARMAは、新規購入の促進よりも、既存の行政命令を法律で裏付ける性格が強い。政府保有資産の長期保全、一元管理、運用の透明性確保を重視しており、今後は超党派の支持が実際の立法進展につながるかが焦点となる。財務省による20年間の保有義務や保有状況の報告制度が、審議の過程でも維持されるかも注目される。

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