XRP(写真=xrpl.org)

XRPを使った国際送金の競争力をどう見るかを巡り、XRPコミュニティ内で議論が再燃している。論点は、必要なのは巨額の流動性そのものなのか、それとも同じ資産を短時間で繰り返し使える回転率なのかという点だ。一方で、市場の厚みが伴わなければ、大口取引時にスリッページやボトルネックが生じかねないとの懸念も根強い。

20日付のブロックチェーンメディアThe Crypto Basicによると、XRPコミュニティ関係者のエリは、XRPの決済効率は「高速な回転」に支えられていると主張した。

焦点となっているのは、XRPをブリッジ通貨として使う際の仕組みだ。金融機関は、自国通貨をXRPに交換して海外に送金し、送金先で現地通貨に再び交換できる。こうした処理が数秒で完了するため、同じXRPを何度も再利用できるというのがエリの見方だ。

エリは具体例として、メキシコ拠点の暗号資産取引所Bitsoを挙げた。Bitsoは米ドルをXRPに換えた上で、メキシコペソに交換する仕組みを活用してきたとされる。エリは、この決済サイクルを極めて短い間隔で反復できる点を強調した。

こうした主張は、XRPの競争力を単純な流通量ではなく、実際の決済に繰り返し使える流動性で捉える考え方につながる。エリはBitsoに関するケーススタディを引用し、100億XRP規模の流動性が1日に約100回再利用されれば、1日当たり最大10兆ドル(約1500兆円)規模のブリッジ取引を処理できると説明した。ただし、この試算はXRP価格が1枚当たり約10ドルであることを前提としている。

もっとも、エリ自身も実際の処理能力が単純計算どおりに決まるわけではないと認めている。どの送金回廊に流動性が集まっているかが重要で、回廊ごとの市場の厚み、取引所の流動性、RippleNet上のウォレット、店頭取引(OTC)デスク、マーケットメーカーの在庫などが実際の処理規模を左右するという。

このためXRP支持者の間では、単なる供給量よりも、主要な送金回廊の拡大と実需に対応できる流動性の確保が重要だとの見方が出ている。高速な決済性能を生かし、既存の国際送金システムより少ない資本で大規模な決済をさばける点を差別化要因とみているためだ。

一方、市場では懐疑的な見方もある。批判的な立場からは、送金速度が速いだけでグローバル決済インフラが円滑に機能するわけではないとの指摘が出ている。十分に厚い流動性プールがなければ、機関投資家などの大口需要が集中した際に、ボトルネックやスリッページが起きる可能性があるという。

コンピュータエンジニアのチャルサンは、XRP価格が10〜20ドルまで上昇したとしても、市場の厚みが不十分なら大口取引を効率よく吸収するのは難しいと警鐘を鳴らした。重要なのは単純な送金速度ではなく、実際の市場流動性と注文を受け止める力だと説明している。

今回の論争は、Rippleエコシステムが抱える課題を改めて浮き彫りにしたとの見方もある。XRPの高速な送金・決済の仕組みそのものに大きな異論はないものの、グローバル決済インフラとして拡大するには、十分な市場流動性と安定した送金回廊の整備が欠かせないという指摘だ。

XRPの競争力は最終的に、スピードと市場の厚みをどこまで両立できるかにかかっている。今回の議論は、その現実的な条件を改めて問い直すものとなっている。

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