欧州連合(EU)は、暗号資産規制「MiCA」の見直しに向けた意見公募を開始した。ステーブルコインの利払い禁止や準備資産要件、暗号資産と従来の金融商品の線引き、DeFiの規制空白などが主な論点となる。Cointelegraphが20日に報じた。
欧州委員会は、MiCA改正の必要性を見極めるための公開協議を開始した。募集は8月31日まで。2024年のMiCA施行後も暗号資産市場や世界の規制環境が変化を続けていることを踏まえ、現行の枠組みがなお実態に即しているかを検証する。
公開協議では、制度運用の実態や補完が必要な領域を問う詳細な設問を用意した。業界内では、今後の制度改編の可能性を踏まえ、これを「MiCA 2」と呼ぶ動きも出ている。
なかでも重点項目の一つが、ステーブルコイン規制の見直しだ。欧州委員会は、MiCAが禁じる利息やそれに類する報酬の提供を維持すべきか、修正すべきかについて意見を募る。あわせて、準備資産要件、流動性管理、償還権、重要なトークンの区分基準も検討対象とする。
トークン分類のあり方も主要議題に据えた。EUの法体系の中で、暗号資産と従来の金融商品の境界が曖昧になる事例を点検するため、ラップドトークン、合成資産、トークン化されたファンド持分などに関する意見を求める。
DeFiやトークン化された金融資産を論点に含めた点も注目される。これらの領域はこれまで、MiCAの適用対象外となる部分が多かった。欧州委員会はこのほか、ステーキング、貸し付け、非代替性トークン(NFT)、暗号資産サービス提供者(CASP)に関するリスクも検証し、市場の健全性や投資家保護、コンプライアンス手続きの簡素化余地についても意見を募る。
今回の見直しでは、法制度そのものに加え、一般利用者の理解や信頼も検証対象に含めた。設問では、ビットコイン、イーサリアム、ステーブルコイン、DeFi、トークン化資産に対する利用者の認識や理解度を確認する。さらに、より強い保護措置や明確なルール、監督体制の改善、規制下にある銀行や決済事業者を通じたアクセス拡大が、消費者の信頼向上につながるかどうかも問う。
見直し作業は、2026年7月の移行期限を前に進められる。この期限以降、暗号資産サービス提供者はEUの枠組みに基づく正式な認可を取得しなければならず、取得できない場合は営業停止を迫られる。