AI規制を巡る議論は、データセンターなどの基盤インフラにも広がっている(写真=Shutterstock)

バーニー・サンダース米上院議員は20日、人工知能(AI)の安全規制を求める声は米国内で圧倒的だとして、議会に法整備を急ぐよう促した。世論調査を根拠に、AI規制の議論はビッグテックの意向ではなく、有権者の声を中心に進めるべきだと訴えた。

BeInCryptoによると、サンダース氏は同日、X(旧Twitter)への投稿で「議会は億万長者のビッグテック企業の主張だけでなく、米国民の声に耳を傾けるべき時だ」と述べ、AI規制の必要性を改めて強調した。

サンダース氏は、AIを巡る議論について、急速な技術開発と安全性への懸念がせめぎ合う状況だと位置付ける。そのうえで、政策論議の軸はテクノロジー企業ではなく、有権者の世論であるべきだとの考えを示した。

根拠として示したのが複数の世論調査だ。SemaforとGallupの調査では、米国民の70%がAIの発展速度は速すぎると回答し、97%がAIの安全規制は必要だと答えたという。さらに77%は、AIによって産業そのものが失われる可能性を懸念しているとされた。

Politicoの別の調査でも、回答者の44%がAIの発展は速すぎるとみており、およそ3分の2が、より強い規制または幅広いガイドラインの導入を支持した。

今回の発言は、サンダース氏が3月にアレクサンドリア・オカシオ=コルテス下院議員とともに推進した「AIデータセンター猶予法案」を改めて想起させる内容でもある。サンダース氏は当時、この法案を「合理的な一時停止」と位置付け、AI開発の速度を一時的に緩めたうえで、社会的な安全装置を整える必要があると訴えていた。

サンダース氏はさらに、「少数の億万長者が率いるビッグテックの寡頭勢力に、経済と民主主義、人類の未来を左右させるわけにはいかない」とし、「いま行動すべき時だ」と強調した。

一方で、規制の強さを巡っては民主党内にも異論がある。ジョン・フェッターマン上院議員は同法案を「中国を利する措置」と批判し、マーク・ワーナー上院議員もAxios主催のイベントで「愚かなことだ」と評した。

背景には、過度な規制が米国の技術競争力を損ない、中国とのAI開発競争で後れを取るのではないかとの懸念がある。

市場や世論の反応も、AI規制を巡る議論を後押ししている。報道によると、最近では一部大学の卒業式で、登壇者がAIに言及した際、聴衆からブーイングが起きた例もあったという。技術への楽観論よりも、雇用の代替や産業再編への不安が広がっている兆候といえそうだ。

米議会でのAI論争は、単なる技術規制の枠を超え、産業政策や世論、米中の技術覇権争いが交錯するテーマへと広がっている。サンダース氏らは安全規制と民主的統制を重視する一方、慎重論に立つ側は米国の技術優位の維持を前面に掲げる。今後は、AIリスクの抑制と産業競争力の維持をどう両立させるかが焦点となる。

キーワード

#AI #AI規制 #米議会 #ビッグテック #データセンター
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.