Ethereum(ETH)を巡り、市場の見方が割れている。価格が2125ドル前後で推移するなか、足元を中長期の買い増し局面とみる強気派がいる一方、相場の基調が改善しなければ1350ドルまで下落する可能性があるとの慎重論も出ている。市場では、2100ドルを維持できるかどうかが当面の焦点になっている。
20日(現地時間)、ブロックチェーンメディアのBeInCryptoによると、市場参加者の間では現在の値動きをどう解釈するかで見方が分かれており、ここから反転に向かうのか、それとも一段安に進むのかに注目が集まっている。
強気派の代表例として挙げられているのが、ミカエル・バン・デ・ポッペ氏だ。同氏は、テクニカル面で弱さがみられるにもかかわらず、現水準は分散して買い増すのに適した価格帯だと指摘。「いまはEthereumを集める局面だ」との見方を示した。市場心理が大きく悪化している局面ほど、長期投資家にとっては持ち高を増やす典型的なタイミングになりやすいとしている。
同氏は根拠として3点を挙げた。1つ目はマクロ環境だ。日本を含む主要国の国債利回り上昇が、DeFiをはじめとするリスク資産への需要を圧迫してきた一方、その金利上昇圧力はピークに近い可能性があると分析した。市場が悪材料を過度に織り込んでいる局面は、サイクル終盤に近づいている兆候になり得るとの判断だ。
2つ目は規制動向で、米国のClarity法案を挙げた。同氏は、6月の上院での採決が重要な分岐点になるとみている。法案が成立すれば、Ethereumエコシステムにとって前向きな規制枠組みが整い、開発者や機関投資家の資金流入を促す可能性があると主張した。今サイクルでETHの重荷となってきた不確実性の後退も、強気材料の1つに位置付けている。
3つ目はテクニカル要因だ。ETH/BTCは0.0325の突破に失敗した後、0.026近辺のサポートラインを試す展開になっているという。日足ベースの相対力指数(RSI)も30を下回る水準にあるとした。同氏は「急騰を予想しているわけではない」としたうえで、「いまはポジション構築を検討できる価格帯だ」と説明。Ethereumが割安圏に入れば、他のアルトコインにも強気ムードが波及する可能性があるとの見方も示した。
一方、CryptoQuantはより慎重なスタンスを示している。アナリストのフェリネイPA氏は、Ethereumが下放れした三角持ち合いを回復できなければ、追加の売り圧力が強まる可能性があると警告した。清算増加後も相場の戻りが鈍い点を弱気シグナルと捉え、「1350ドルのサポートまで下落する可能性が残っている」と述べた。
こうしたなか、市場では2100ドルが短期的な分岐点として意識されている。この水準を維持できれば2500ドル近辺まで反発する余地がある一方、割り込めば弱気シナリオが優勢になるとの見方が出ている。
オンチェーン指標も総じて慎重なシグナルを示している。DeFiの総預かり資産(TVL)は年初から大きく減少しており、ネットワーク活動や保有者の動きにも鈍化傾向がみられる。特にDeFi TVLは、1月中旬の1060億ドルから630億ドルへと約41%減少した。DeFi分野で相次いだセキュリティ事故も、短期的な投資家心理を冷やす要因として挙げられている。
最終的な相場の方向性は、マクロ環境と規制日程に大きく左右される見通しだ。主要国で利下げ観測が再び強まり、Clarity法案が前進すればリスク資産選好の回復につながる可能性がある。一方で、2100ドルを割り込み、オンチェーン指標の弱さが続けば、追加調整に入る可能性も否定できない。
当面のEthereum市場は、買い増し期待と一段安への警戒が併存する展開となりそうだ。2100ドルの攻防に加え、6月の規制イベント、ETH/BTCの動向が主要な変数として注目される。